NY白金

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先週のNY白金(中心限月)は、前週比25.0ドル高の1411.7ドルで終了。6週連続で上昇しております。

9月5日に発表された8月米雇用統計で米労働市場の鈍化が示されたことを受けて、FRBが9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げに動くとの観測が一段と拡大。一時1412.3ドルまで上昇する場面もみられたものの、買い一巡後は米景気悪化への懸念が強まる中で、徐々に売られる展開となり、終値で1400ドル台を回復することは出来ず。

ただ、相関性の強い金相場の急騰に加えて、ウクライナで戦闘が激化し、ウクライナ和平の交渉に不透明感が強まる中、ポーランドで10日にロシアのドローンによる領空侵犯が発生。ロシアに対する経済制裁が強化されるとの思惑が拡がり、同じ白金族であるパラジウム相場が急伸する中で底堅い展開となり、先週は引き続き50日平均線を挟んだ揉み合いで推移しております。

白金業界団体「ワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)」が最新の需給レポートを公表し、2025年の世界白金需給は26.4トンの供給不足と予測。5月時点の見通し(30.0トンの供給不足)から不足幅を縮小させたものの、想定通りになれば、3年連続で供給不足となることから、改めて需給のひっ迫感が意識される中、12日に3日以来の1400ドル台を回復しております。

今週は16、17日の両日にFOMCが開催されます。CMEが公表している「FedWatch(フェドウォッチ)」(9月12日時点)によると、9月のFOMCでFRBが利下げを行うとの見方は100%となり、そのうちの6.6%は0.50%の大幅利下げを見込んでおります。

労働市場の鈍化を受けて、米景気の減速懸念が強まる中、年内の3会合全てで連続利下げを行うとの見方も8割を超えており、FOMCメンバーの金利見通しである「ドット・チャート」や、声明公表後の記者会見でパウエル議長が、どの程度ハト派な発言を行うかが焦点となりそうです。

労働市場への懸念を示す発言が多いようですと、再度1500ドルを意識した動きになって行くことも想定されます。一方で、利下げのペースについて、「今後のデータ次第」と従来からの見解を繰り返した場合、FRBの大幅利下げを織り込んで相場は既に上昇してきているだけに、一旦調整地合いを強める可能性がありそうですが、需給のひっ迫感が根強い中、引き続き安値は買い拾われそうです。

 

 

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