NY金
↓クリックすると拡大します↓
©Copyright Jiji Press Ltd. All rights reserved
・WGCの需給レポートはこちら
・金の地上在庫はこちら
・世界の金生産量はこちら
・公的機関の金準備はこちら
・中国の金準備はこちら
・中国の金輸入量はこちら
・スイスの金輸出量はこちら
先週のNY金(中心限月)は、前週末比33.1ドル高の3686.4ドルで終了。4週連続で上昇しております。
9月5日に発表された8月米雇用統計を受けて急伸。米労働市場の鈍化が示されたことを受けて、FRBが9月のFOMCで利下げに動くとの観測が一段と拡大する中、5日から9日まで3営業日続伸。連日で最高値を更新する中、9日に一時3715.2ドルまで上昇るなど、史上初めて3700ドル台に乗せる場面もみられております。
8月米消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.9%上昇。伸び率は前月(2.7%上昇)から加速したものの、市場予想(2.9%上昇)と一致。コア指数は同3.1%上昇と、前月と変わらずでした(市場予想は3.1%上昇)。トランプ関税の影響が一部で顕在化しつつあることが示されたものの、米新規失業保険申請件数が3年ぶり高水準となり、インフレ再燃への懸念を雇用情勢の悪化が打ち消した模様。その後も、3700ドル超えを試す展開が続いております。
今週は16、17日の両日にFOMCが開催されます。CMEが公表している「FedWatch(フェドウォッチ)」(9月12日時点)によると、9月のFOMCでFRBが利下げを行うとの見方は100%となり、そのうちの6.6%は0.50%の大幅利下げを見込んでおります。
労働市場の鈍化を受けて、米景気の減速懸念が強まる中、年内の3会合全てで連続利下げを行うとの見方も8割を超えており、FOMCメンバーの金利見通しである「ドット・チャート」や、声明公表後の記者会見でパウエル議長が、どの程度ハト派な発言を行うかが焦点となりそうです。
労働市場への懸念を示す発言が多いようですと、再度3700ドル台に乗せて来ることも想定されます。一方で、利下げのペースについて、「今後のデータ次第」と従来からの見解を繰り返した場合、FRBの大幅利下げを織り込んで相場は既に上昇してきているだけに、一旦調整地合いを強める可能性がありそうです。ただ、ウクライナや中東で「地政学リスク」が再度高まっていることに加えて、FRBの独立性への懸念が強まる中、「安全資産」として金を選好する動きは続くとの見方は多い模様。また、ゴールドマン・サックスなど大手金融機関が金相場に対して強気な見方を維持するなど先高感は依然強いことから、引き続き安値は買い拾われそうです。
なお、スイス金融大手UBSは9月12日に、金相場は2025年末までに1オンス=3800ドルに上昇すると予測。従来見通しから300ドル引き上げております。また、2026年の年央には3900ドルに達するとし、従来見通しから200ドル上方修正しております。UBSは理由として、今後見込まれるFRBの利下げと、それに伴う米ドル安や「地政学的リスク」を挙げております。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
↓クリックすると拡大します↓
最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は9月12日時点で前週末比7.17トン減少の974.80トンと、3週ぶりに減少に転じております。
世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」も前週末比4.87トン増加の464.80トンと、3週連続で増加。
※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心の注意を払っておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。