米ドル・円
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米ドル・円は、11月20日に157.89円まで円安が進むも、片山財務相が21日に外為市場を巡り「憂慮している」と表明。日米財務相の共同声明を踏まえ「必要に応じて適切な対応をとる」とし、介入の選択肢も「当然考えられる」とあえて明言したことから、通貨当局による為替介入への警戒感が強まり、円が買い戻される展開に。
また、一転してFRB高官からハト派な発言が相次ぐ中、FRBの追加利下げ観測が再度強まったことから、円買い・ドル売りの動きが拡大。ブルームバーグ通信が、FRBの次期議長として、トランプ米大統領の側近であるホワイトハウスのハセット国家経済会議(NEC)委員長が最有力視されていると報じたことから、155円台半ばまで円高が進む場面も見られております。
ただ、「責任ある積極財政」を掲げる高市政権の拡張的な財政政策が財政悪化につながるとの懸念は根強く、一段の円高とはならず。ドルが買い拾われております。なお、政府が閣議決定した21.3兆円の経済対策は、財務省がとりまとめた当初案から4兆円以上を積み増しされました。
FRBが追加利下げを行うとの見方が再度強まっていますが、米政府機関の一時閉鎖が続いた影響で、米経済指標の発表が遅延していることに加えて、12月9、10日の両日に開催される12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)が迫る中、FRBは11月29日から、FRB高官が金融政策に関する公的発言を控えるブラックアウト期間に入るため、金融政策に関する手掛かりが乏しくなります。
一方で、日銀の政策委員から利上げに前向きな発言が相次ぐ中、日銀は早ければ12月の金融政策決定会合で利上げを決定するとの見方が拡がっております。そのため、12月1日に予定されている植田総裁の講演に注目が集まりそうです。利上げ観測が強まれば、日米金利差縮小を見込んだ円買い・ドル売りの動きが拡大し、再度155円割れを試すことも想定されますが、日本は実質金利が依然としてマイナスであるため、円高へと反転する力は弱いとの見方は多く、引き続きドルが買い拾われそうです。一方で、ハト派色の強い内容となれば、再度157円超えを試すことが想定されます。
なお、米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、大口投機家のIMM通貨(円)のネット・ロングは10月14日時点で前週比9141枚減少の3万7166枚と、3週連続で減少。37週連続でネット・ロングとなっております。
IMM円のネット・ロング
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