NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比27.9ドル安の1655.6ドルで終了となり、2週連続で下落。FRBは、FOMC(米連邦公開市場委員会)で3会合連続で0.75%の利上げを決定。0.75%の利上げは市場の想定内であったものの、声明公表後の記者会見でパウエルFRB議長が、「痛みを伴わないインフレ対策はない」と述べ、積極引き締めを続ける考えを強調。

また、FOMCメンバー18人の経済・金利見通しで、2022年末のFF金利見通し中央値は4.375%と、6月時点の見通し(3.375%)から大幅に上方修正されました。

年末までに計1.25%の追加利上げ見通しが示され、次回11月でも大幅な利上げが継続する見通しになったため、米国の景気減速懸念が再燃。米株価が急落する中、「安全資産」として金を買い拾う動きも見られたものの、米10年債利回りが一時2010年4月以来約12年5ヶ月ぶり水準となる3.83%まで上昇。米長期金利上昇が「金利を生まない資産」である金の相場を押し下げ、9月23日に1646.6ドルまで下げる場面も見られております。

なお、2023年末は4.625%と、同じく6月時点の見通し(3.875%)から大幅に引き上げられ、市場の一部で拡がっていた2023年からの利下げ観測が後退しております。

辛くも終値ベースでは節目の1950ドルを維持したものの、FRBのタカ派姿勢を受けて、今週も終値ベースでは2020年4月3日以来の1650ドル割れを試す展開が続きそうです。

ただ、世界的な金融引き締めが米景気の悪化を招くとの懸念が再燃している。また、ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵攻をめぐり部分的動員令に署名したことを受けて、ウクライナ情勢の緊迫化が再度意識され始める中、仮に1650ドルを割り込んでも、1600ドル台前半では「安全資産」として買い拾われるとの見方も出始めております。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は9月23日時点で前週末比13.63トン減少の947.23トンと、14週連続で減少。2020年3月24日(935.99トン)以来の低水準となっております。

世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比3.95トン減少の488.31トンと、4週連続で減少しております。

 

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