米ドル・円
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米ドル・円は、米国の個人や企業の景況感悪化を示す経済指標が相次ぎ、米長期金利が低下する一方で、日銀の追加利上げ観測は根強く、日米金利差の縮小期待から円買いドル売りの動きが強まっております。トランプ米政権の関税政策を巡る先行き不透明感が拡がる中、相対的な「安全通貨」として円を選好する動きが拡がっている模様。
ただ、慢性的な貿易赤字や少額投資非課税制度(NISA)を通じた海外投資の増加、デジタル赤字などを背景とした構造的な円売りにより、実需のドル買いの動きが根強い上に、テクニカル的に相対力指数(RSI)が節目の30%近くまで低下したため、ドルを買い戻す動きが強まった様で、150円台に戻して来ております。
ただ、米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、大口投機家のIMM通貨(円)のネット・ロングは2月25日時点で前週比3万5411枚増加の9万5980枚と、6週連続で増加。4週連続でネット・ロングとなり、2016年4月19日時点(7万1870枚)を上回り、過去最高となるなど、ファンドの円買いの動きが強まっている模様。
そのため、昨年9月16日の139.57円から今年1月10日の158.88円の上げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の半値押し水準149.23円を維持出来ずに、昨年12月3日に付けた148.64円を割り込む様ですと、Wトップ型が意識され始める可能性がありそうです。その場合、61.8%押し水準146.95円辺りまで円高が進むことも想定されます。
FRBの金融政策の先行きを占う上で、目先は3月7日に発表される2月米雇用統計が注目されます。また、3月5日に日銀の内田副総裁が静岡県金融経済懇談会で挨拶する予定で、発言が注目されております。
なお、トランプ米大統領は3月3日に、日本や中国が通貨安を誘導していると批判しました。通貨安による不公正な貿易条件を是正するに当たり、関税を使えば「解決は極めて簡単だ」と強調。日本からの輸入品にも追加関税を課す可能性を示唆しました。
トランプ氏は、「中国の習近平国家主席や日本の首脳らに、通貨安を続けることは出来ないと伝えた。米国にとって不公正だからだ」と説明。「関税である必要はないが、関税は簡単かつ手早く効率的で、公正さももたらす」と述べました。
また、日本や中国が通貨安を誘導し、米国に「極めて不公正な不利益」を招くなら、「やらなければならないのは、『ハワード(・ラトニック商務長官)、関税を若干引き上げよう』と言うことだけだ」と語っております。
IMM円のネット・ロング
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