ダウ工業株30種平均

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昨晩のダウ工業株30種平均は前営業日比22.07ドル高の37775.38ドルで終了。中東情勢を巡る「地政学リスク」が一段と高まっていることに加えて、FRBによる早期利下げ観測が後退する中、4月8日から15日まで6営業日続落となり、節目の38000ドルを割り込みました。値ごろ感から買い拾う動きも見られるも、100日平均線がレジスタンスとして意識され始める中で上値は重く、4月17日に37611.56ドルまで下げる場面も見られております。

パウエルFRB議長が4月16日の講演で、最近の経済指標ではインフレが持続的に2%の目標に向かって低下しているとの確信が十分持てないとし、政策金利を当面の間、現行の水準で維持する方針を示唆するなど、今週もFRB高官から「タカ派」な発言が相次ぐ中、米インフレ圧力の根強さを背景にFRBの利下げ開始時期が後ずれするとの見方が一段と強まっております。

CMEが公表している「FedWatch(フェドウォッチ)」(4月18日時点)によると、市場が想定するFRBの利下げ開始時期は9月に後ずれしており、今年の利下げ回数も年初の年6回見通しから、2回に減少。1回と予想される日も出始めております。市場の一部で今年の利下げは無いとの見方も出始めるなど、早期利下げ期待が後退する中、米長期金利が上昇しており、株式の相対的な割高感が意識されている様です。

台湾積体電路製造(TSMC)の決算を受けて、人工知能(AI)向け半導体需要の強さが確認され、エヌビディアが買われた一方で、オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングの受注高減を受けインテルなどが売られるなど、ここまで相場を主導してきた半導体株の過熱感が警戒され始めている様です。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は4月17日に約2ヶ月ぶりの安値で終了しております。

 

フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)

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今月に入ってダウは前日までに2000ドル余り下げて来ておりますが、米景気や企業業績などのファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の良さに変わりはなく、来週以降にヤマ場を迎える米企業決算を眺めながら、安値拾いの買いも出て来そうですが、テクニカル的にMACDが下げ基調を強める中、前述の様に100日平均線のレジスタンスが強まっております。

そのため、目先は昨年10月27日の安値32327.20ドルから今年3月21日の高値39889.05ドルの上げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の38.2%押し水準37000.42ドルを維持出来るかが焦点となりそうです。

 

 

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