トランプ米大統領は10月10日に、レアアース(希土類)に関する輸出規制強化を発表した中国を「敵対的になりつつある」と批判し、11月1日から100%の追加関税を課すと表明。また、ホワイトハウスで記者団に対して「まだ中止はしていないが、会談するかは分からない」と述べ、中国の習近平国家主席との首脳会談を中止する可能性を示唆しました。ただ、米中首脳会談の有無にかかわらず、訪韓する意向を示しております。

トランプ氏は中国の輸出規制強化は「世界各国での暮らしを困難なものとするだろう」と述べ、自動車生産などに必要な重要鉱物のサプライチェーン(供給網)に悪影響を及ぼすとし、「中国が世界を『人質』にすることは許さない」と非難。その上で、現在課している関税に上乗せする形で、11月1日から100%の追加関税を課すほか、「あらゆる重要なソフトウエア」に輸出規制を導入すると表明。米ボーイング製の航空機部品の対中輸出規制も検討していると明らかにしました。

◆中国、レアアース規制「正当な措置」

中国商務省は10月12日に、米国が100%の対中追加関税を課した場合、「相応の措置」で対抗すると表明、報復を示唆しました。トランプ米大統領が批判する中国のレアアース(希土類)輸出規制強化については「輸出管理を整えるための正当な措置だ」と主張しております。

◆トランプ米大統領、米中対立「心配ない」

トランプ米大統領は10月12日に、「中国のことは心配するな。大丈夫だ」とSNSに投稿。「(習近平中国国家主席は)自国が不況に陥ることを望んでいないし、私も望んでいない」と指摘。「米国は中国を助けたい。傷つけたいのではない」と書き込んでおります。

◆ベッセント米財務長官、米中首脳会談「予定通り」

ベッセント米財務長官は10月13日にFOXビジネスに出演し、韓国での米中首脳会談について「予定通り行われると思う」との認識を示しました。また、週内に中国との実務者協議を実施すると明らかにしております。

ベッセント氏は中国による輸出規制の強化は「韓国での会談を前に、(中国が)影響力を得るための誤った試みだった可能性がある」と指摘。「米中の関係を損なおうとする強硬派によるものかもしれない」との見方をし、「誤算だった」と述べております。その上で、「今は意思疎通が出来ている。前進出来ると確信している」と強調。「100%の関税を課す必要はない。米中の関係は良好で、今後の展開を見守る」と述べております。

◆中国、レアアース規制強化

中国商務省は10月9日に、レアアース(希土類)の輸出規制を強化すると発表。輸出先を厳格に管理する内容で、貿易摩擦を抱える米国などへの迂回輸出阻止を狙ったとの見方も出ております。公告では、国内の輸出事業者に対し、最終的な仕向け地を明確化するよう要求。同省は報道官談話で「一部の海外組織・個人が輸出規制対象の中国産レアアースを、(第三者へ)再輸出してきた」と主張しました。商務省は別の公告で、中国企業や個人による国外のレアアース採掘・製錬技術支援を制限することも明らかにしております。

◆中国、エヌビディア製半導体の税関検査を強化

英紙フィナンシャル・タイムズ電子版は10月10日に、中国政府が米半導体大手エヌビディア製の人工知能(AI)半導体の輸入を巡り、税関検査を強化していると報じました。中国当局は安全保障上の懸念から国内企業に対して同社製の一部半導体の調達停止を求めているとされ、水際で密輸を厳しく監視する狙いがあるとみられております。

◆中国、米クアルコムを調査

中国国家市場監督管理総局は10月10日に、独占禁止法違反の疑いで米半導体大手クアルコムに対する調査を始めたと発表しました。クアルコムがイスラエルの半導体関連企業を買収する手続きに違反の疑いが見つかったとしております。

◆中国、米国船から「特別料金」徴収

中国交通運輸省は10月10日に、中国の港に寄港する米国船から「特別港務料金」を徴収すると発表しました。米国が14日から中国船に追加料金を課すことへの報復措置で、料金も米国とほぼ同じ水準としております。

 

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