FRBのパウエル議長は6月24日に、下院金融サービス委員会で証言し、一部のFRB高官が7月利下げの可能性について言及していることについて、この先の政策金利動向には「多くの道筋があり得る」と述べ、一部高官の発言は「そうした可能性の一つ」との見方を示しました。その上で、想定より強くないインフレや雇用悪化は「より早期の利下げを示唆する」と明言。一方、インフレが持続すれば、利下げは遅くなると述べた。その上で、利下げ時期に関しては「特定の会合を指摘しない」と述べております。

パウエル氏は関税によるインフレ押し上げ予想を「無視できない」とし、様子見姿勢を改めて堅持。関税がもたらすインフレへの影響が「非常に不透明だ」と語りました。また、「経済が強い限り、現行水準で金利を少し維持することができる」と言及しました。

関税の物価への影響が表れるには数ヶ月かかり、「6、7、8月に大幅な影響が出ると予想している」と言明。そこで顕著に表れなければ、「分かることがある」とし、「早期利下げを導き得る」と述べております。

◆FRB高官の発言

・FRBのボウマン副議長は6月23日に、チェコ・プラハで講演し、インフレ圧力が抑制されたままならば、早ければ7月会合での利下げを支持すると明言。トランプ米政権の高関税政策が経済や物価に及ぼす影響について、当初の想定よりも小さい可能性があるとの見方を示しました。

・FRBのバー理事は6月24日に、ネブラスカ州オマハで行われたイベントで、関税の引き上げは価格上昇圧力となり、一時的なものではない可能性があるとの認識を示しました。また、インフレ率2%目標達成に向けた進捗は「緩やかだが不均一」だとした上で、利下げを急ぐつもりはないと述べております。

・NY連銀のウィリアムズ総裁は6月24日に、NY州内で講演し、FRBによる現在のやや引き締め的な金融政策の維持は「適切だ」との認識を示しました。今後の経済指標を見極める時間確保が可能と意義を強調しております。

・クリーブランド連銀のハマック総裁は6月24日に、ロンドンで講演し、米経済に即座の利下げが適切な弱さは見当たらないと明言。しばらくは金利を維持することが「最善」との見解を明らかにしました。

・シカゴ連銀のグールズビー総裁は6月24日に、中西部ウィスコンシン州ミルウォーキーで行われた対談イベントで、トランプ米政権の高関税政策がインフレ高進をもたらさなければ、政策金利は現在の水準から相当下がるとの見通しを示しました。

・ボストン連銀のコリンズ総裁は6月24日に、FRBの金融政策は適切との認識を示しました。

・ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は6月24日に、このところのインフレ指標でディスインフレ進行が示唆されているものの、関税措置でこうした状況が変化するのか、FRBは時間を掛けて見極めようとしていると述べております。

・アトランタ連銀のボスティック総裁は6月24日に、企業が関税引き上げに対応して今年後半に値上げを計画し、雇用市場が依然として安定している中、FRBが早期に政策金利を引き下げる必要はないとの認識を示しました。

 

 

 

 

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