NY白金
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先週のNY白金(中心限月)は、前週比16.2ドル高の1386.7ドルで終了。5週連続で上昇しております。
50日平均線でレジスタンスを受ける中、1300ドル台半ばで揉み合う展開が続いていたものの、9月2日に急伸。7月米個人消費支出(PCE)物価指数が市場予想と一致したことを受けて、FRBが9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げに動くとの見方が拡大。相関性の強い金相場が最高値を更新する中、白金も買い進められて7月29日以来の1400ドル台を回復。3日に1465.0ドルまで上昇する場面もみられております。ただ、翌4日は米雇用統計を控えた持ち高調整の動きが強まり、急落。1400ドルを割込みました。
5日に発表された8月米雇用統計で、景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数は前月比2.2万人増と、伸びは前月(改定値、7.9万人増)から縮小し、市場予想(7.5万人増)も大幅に下回りました。また、6月分は1.4万人増から1.3万人減に下方修正され、コロナ禍を除くと2010年9月以来、約15年ぶりにマイナスとなっております。失業率は4.3%と、前月から0.1ポイント悪化。
労働市場の鈍化が示されたことを受けて、FRBが9月のFOMCで利下げに動くとの観測が一段と拡大。米長期金利が急低下し、主要通貨に対してドルが売られる中、相対的にドル建て商品に割安感が強まったため、一時1412.3ドルまで上昇する場面もみられたものの、買い一巡後は米景気悪化への懸念が強まる中で、徐々に売られる展開となり、1400ドル台を回復することは出来ずとなっております。
米景気悪化への懸念が急速に強まる一方で、相関性の強い金相場は利下げ観測を受けて上昇基調を維持しております。また、ロシアとウクライナが攻撃を激化させていることに加えて、1ヶ月物リースレートは依然として10%を上回って推移する中、需給のタイト感も根強く、引き続き50日平均線を挟んだ底堅い展開が続きそうです。
米雇用統計の結果を受けて、市場の一部では9月のFOMCで0.50%の利下げを見込む向きも出始めており、目先は9月11日に発表される8月米消費者物価指数(CPI)に注目が集まりそうです。
また、白金業界団体「ワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)」は9月10日に最新の需給レポートを公表する予定。価格が高止まりする中、需要見通しに注目が集まりそうです。
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