アトランタ連銀は11月12日に、ボスティック総裁が任期となる来年2月末に退任すると発表しました。ボスティック氏は黒人で初めて地区連銀総裁に就任。次期総裁が指名されるまでは、同連銀のベナブル第一副総裁が暫定的に総裁を務める模様。

◆ハセット米NEC委員長、「強いドル」政策は健全

ホワイトハウスのハセット国家経済会議(NEC)委員長は11月12日に、ワシントン市内で行われた対談イベントで、「『強いドル政策』は健全な政策だ」と明言。ハセット氏は「通貨は健全なものとしたい」と強調。財政規律の維持が「強いドルをコミットする」と述べております。また、FRBの金融政策について、2会合連続の利下げ実施は「適切な時期だった」と評価。9月のインフレ率が予想よりもインフレの落ち着きを示したことや、政府機関の一部閉鎖が予想より長期に及んだことを踏まえれば、FRBは次回12月会合で0.25%利下げを決める可能性があると語っております。

ハセット氏は、次期FRB議長候補の1人に挙げられていますが、「夢の仕事」としながらも「トランプ米大統領が求めれば、FRB議長に就任する」と言明。選ばれなくても「政権に留まる」と述べております。人工知能(AI)ブームがバブルかどうかについては、「AIは生産性を向上させ、利益を高めており、バリュエーションは本当に高い」と主張。1990年代後半からのITバブルと「状況はかなり異なる」との見方を示しております。

◆FRB高官の発言

・FRBのミラン理事は11月12日の講演で、米国のインフレは低下していくとし、FRBは利下げを行う必要があるとの考えを改めて示しました。なお、10日にCNBCテレビとのインタビューで、最近の経済指標を踏まえれば、12月会合で「0.50%の利下げが適切だ」と明言した上で、「最低でも0.25%利下げ」を決定する必要があるとの見方を示しております。

・FRBのジェファーソン副議長は11月7日の講演で、FRBの政策金利が景気を抑制も刺激もしない「中立金利」に近づいたとし、利下げを「ゆっくり進めることが理にかなっている」と述べ、金融緩和ペースを鈍化させる可能性を示唆しました。

・NY連銀のウィリアムズ総裁は11月12日の講演で、FRBが近い将来、米国債などの購入を通じた保有資産の再拡大に踏み切る可能性に再び言及。時期については、米国債を担保に資金をやり取りするレポ市場の金利などの指標を注意深く観察し、判断する考えを示しました。ウィリアムズ総裁は7日の講演で、FRBによる保有資産の再拡大の可能性について示唆していました。

・今年のFOMCで投票権を有するボストン連銀のコリンズ総裁は11月12日の講演で、不透明感が高い中でインフレと雇用の両リスクのバランスを取るため、FRBは当面、政策金利を現行水準で維持することが適切な可能性がある」との見解を示しました。

・今年のFOMCで投票権を有するシカゴ連銀のグールズビー総裁は11月6日にCNBCテレビとのインタビューで、多くの指標は「労働市場の安定を示している」と明言。一方で、インフレ動向を踏まえればFRBの「前倒し利下げには一層不安だ」と改めて強調しております。

・アトランタ連銀のボスティック総裁は11月12日の講演で、労働市場がはっきり弱いとは言えず、インフレリスクが増大する中、FRBは「インフレ率が2%へ再び向かうとの明白な証拠を確認するまで、金利を維持することが望ましい」と明言しました。

・クリーブランド連銀のハマック総裁は11月6日の講演で、インフレ率が「高過ぎ、しかも悪い方向に向かっている」と、懸念を示しました。2026年もインフレ高止まりが予想される中、「リスクを冒さず、金融政策が出来ることがもっとあるとは思わない」とし、FRBの政策金利は当面据え置きが望ましいとの考えを示唆しております。

・サンフランシスコ連銀のデイリー総裁は11月10日に公表したブログで、労働市場における賃金の伸び鈍化を踏まえ、「労働力需要がマイナスのショックを受けている可能性がある」との見方を示しました。一方で、関税引き上げの影響はモノの値上がりにとどまり、サービスインフレやインフレ期待に「ほとんど波及していない」と断じております。

 

 

 

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