米国の政策金利
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FRBのパウエル議長は5月に任期を迎えます(FRB理事としての任期は2028年1月)が、昨年12月にトランプ米大統領は年明け早々にも次期FRB議長を指名すると発言。利下げに積極的な新議長を早めに指名し、1月末に退任するミラン理事の後任として議長就任前にFOMC(米連邦公開市場委員会)に理事として送り込み、利下げに慎重過ぎると不満を持つパウエル議長のレームダック化を進める狙いがあるとみられております。
米国家経済会議(NEC)のケビン・ハセット委員長が有力視されているものの、トランプ氏が昨年12月の米紙ウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、「2人のケビンは素晴らしい」と強調したため、元FRB理事のケビン・ウォーシュ氏も急浮上しているようです。
11月に中間選挙を控える中、トランプ大統領は次期議長には大幅な金融緩和を進める人物を選ぶ方針を明言しており、誰が指名されても積極的に利下げを進めるとみられております。ただ、過度な利下げは景気とインフレを過熱させる可能性があります。
米経済は堅調さを維持しているものの、失業率は直近で4.6%と、2021年9月(4.7%)以来の高水準まで上昇。雇用に対する下振れリスクが高まっております。一方で、インフレ率は直近で2.7%と、目標の2%を上回って推移しており、インフレが再燃するとの懸念は根強いようです。「雇用最大化」と「物価安定」というFRBの二大責務(デュアル・マンデート)の両立は難しい局面を迎えております。
◆2026年のFOMC投票権
2026年は、クリーブランド、フィラデルフィア、ダラス、ミネアポリスの連銀総裁がFOMCで投票権を有することになります。政策判断はデータ次第の姿勢から、投票権を持たないメンバーを含めて、連銀総裁は中立かタカ派はスタンスが多いようです。
一方で、FRBの理事7人のうち、ボウマン金融監督担当副議長とウォラー理事は第1次政権時にトランプ米大統領が任命。昨年9月に就任したミランFRB理事を含めた3人が「トランプ派」となっております。
トランプ米大統領によるクックFRB理事解任訴訟の口頭弁論は、1月21日に米連邦最高裁判所で開かれる予定。「正当な理由」による解任と認められる可能性は低いとみられておりますが、仮にクック理事が解任されて後任に「トランプ派」が送りこまれれば、トランプ氏が指名した理事が4人と過半数を占める形となります。その場合、大統領のFRBへの支配力はかつてなく高まり、FRBの独立性が揺らぐとの懸念が拡がりそうです。
なお、FRB議長はFRBの理事の中から選出されるため、前述のように任期が1月末までとなっているミランFRB理事の後任に、次期FRB議長を指名するとみられております。
FOMCはFRB理事7人とNY連銀総裁は常に投票権を持ち、11人の地区連銀総裁は輪番制で投票権を与えられます。ただ、四半期ごとに公表される経済・金利見通し(SEP)はFOMCメンバー19人全員の見通しが公表されております。
FOMCメンバーの投票権(2026年)
| 常任メンバー
・パウエルFRB議長 ・ジェファーソンFRB副議長 ・ボウマンFRB副議長 ・バーFRB理事 ・クックFRB理事 ・ミランFRB理事 ・ウォラーFRB理事 ・NY連銀のウィリアム総裁 |
| メンバー
・フィラデルフィア連銀のポールソン総裁 ・クリーブランド連銀のハマック総裁 ・ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁 ・ダラス連銀のローガン総裁 |
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