米ドル・円
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米ドル・円は、10月4日に行われた自民党総裁選で、高市前経済安全保障相が勝利したことを受けて、「高市トレード」が強まり、週明け10月6日に8月1日以来の150円台を回復。心理的節目の150円を突破したことで、ストップロスの円売り・ドル買いを巻き込み、円安が加速。また、高市氏は金融引き締めに慎重な考えを示しており、利上げに否定的であるとの見方から、日銀が10月の金融政策決定会合で利上げに踏み切るとの見方が後退。
CFTCのデータによると、ヘッジファンドは日銀の早期利上げ観測を背景に円を大幅に買い越していただけに、持ち高整理の円売り・ドル買いの動きも強まったようです。なお、ゴールドマン・サックスは高市氏の自民党総裁就任を受けて、円の買い推奨を取りやめております。
低金利の円を調達して高金利通貨を購入する「円キャリートレード」の機運も再び高まる中、10月9日に一時153.23円まで円安が進むなど、2月12日以来、約8ヶ月ぶりに153円に乗せてきております。
高市氏は積極財政論者で知られ、景気刺激策を打ち出すとみられていることから、財政赤字拡大懸念を背景に「悪い金利上昇」が続いていることも円売り・ドル買いを誘っている模様。10年債利回りは10月10日に1.7%台に乗せ、2008年以来約17年ぶり高水準となっております。テクニカル的にも、MACDの上昇が続く中、7月以降続いてきた90日平均線と200日平均線のレンジを上放れた形となっております。
加藤財務相が10日に、「足元で一方的、急激な動きが見られている」、「過度な変動や無秩序な動きについてはしっかり見極めている」と発言し、市場を牽制したことから円安は一服しておりますが、市場では心理的節目の155円を意識した動きが続くとの見方が多いようです。
一方で、公明党の連立離脱論が出ており、政局の不透明化が強まれば、「高市トレード」の巻き戻しで円が買い戻されるとの見方も出ております。今週は約6円近く円安が進んだだけに、短期的に10月1日の146.58円から10月9日の153.23円の上げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の半値押し水準149.91円や節目の150円辺りまで下げて来ることも想定されます。
なお、米政府機関の一部閉鎖に伴い、商品先物取引委員会(CFTC)の取組高報告の公表は停止されております。
IMM円のネット・ロング
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