米連邦政府は2025会計年度(2024年10月~2025年9月)末を迎えておりますが、米上院は予算切れによる政府機関の一部閉鎖を回避するため、10月1日以降の財政資金を確保するつなぎ予算案を審議したものの、下院で可決済みの共和党案と、民主党案をそれぞれ否決。政府機関の一部閉鎖が確実な情勢となっております。政府機関が閉鎖されれば、第1次トランプ米政権時の2018年12月〜2019年1月以来約7年ぶり。なお、この時は35日間と過去最長を記録しております。
予算案が上院を通過するには、議事妨害(フィリバスター)を阻止するため、定数100に対して60票以上が必要。そのため、野党民主党の協力が不可欠となりますが、民主党はつなぎ予算案に、医療保険補助の延長や、大幅削減された低所得者向け医療支援の復活を盛り込むように要求。ただ、共和党は「医療を巡る交渉は(つなぎ予算成立で)政府を開けてからだ」(上院トップのスーン院内総務)と突っぱねております。
なお、米行政管理予算局(OMB)のボート局長は、法案否決を受けて各省庁に政府閉鎖の準備を進めるよう通知を出した上で、「直ちに秩序ある閉鎖計画を実行すべき」とし、閉鎖期間がどれだけ長くなるかは予測出来ないと指摘しております。
トランプ米大統領は9月30日に、予算切れで政府機関の一部が閉鎖されれば、政府職員を「大量に解雇する可能性がある」と発言。職員解雇について、「民主党のせいだ」と責任を押し付けた上で、不法移民の医療費を負担することは出来ないと述べております。
これまでの政府閉鎖では、緊急性の低い部門の職員は自宅待機となり、その間の賃金は予算成立後に支払われていました。米議会予算局(CBO)の試算によると、閉鎖で約75万人の職員が自宅待機となり、1日当たりの賃金コストは約4億ドルに上ります。職員を解雇すれば、未払い賃金を後で支払う負担は減るものの、米経済の混乱につながるとの懸念が出ております。
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