米消費者物価指数
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米労働省が7月15日に発表した5月米消費者物価指数(CPI)は、前年同月比2.7%上昇。伸び率は前月(2.4%上昇)を上回り、2ヶ月連続で加速しました(市場予想は2.6%上昇)。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は同2.9%上昇と、前月(2.8%上昇)を上回り、4ヶ月ぶりに加速しております(市場予想は2.9%上昇)。
サービス価格(エネルギー関連を除く)は3.6%上昇(前月は3.6%上昇)。瞬間風速を示す前月比では全体は0.3%上昇(前月は0.1%上昇)、コア指数は0.2%上昇(前月は0.1%上昇)。 トランプ米政権の高関税政策が物価を押し上げ始めているようです。
なお、トランプ米大統領はSNSに、「消費者物価は低い」とした上で、「FRBは今、金利を下げろ」と投稿。「FRBは3%利下げすべきだ。非常に低いインフレだ」と主張しました。
◆WSJ、6月消費者物価はFRBに影響しない
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ、電子版)は7月15日に、6月米消費者物価指数(CPI)の結果はFRBの利下げ判断にあまり影響しないとの見方を示した上で、雇用指標の軟化や物価指標の改善がみられれば、パウエルFRB議長は9月にも利下げする道を残していると分析しました。
6月CPIは、前月から伸びが加速したものの、過去1年間のトレンドと一致した水準だと指摘し、トランプ米政権の高関税政策による物価への影響を見極めたい当局者にとっては7月や8月の数値が重要になると強調。関税がこれから年内に深刻なインフレ圧力をもたらすと予測している当局者も、関税が大幅なインフレにつながらないと考えている当局者も、今回の結果を受けて、見解を変える理由がほとんどないとしました。
◆6月米期待インフレ、2ヶ月連続で低下
NY連銀が7月8日に発表した6月米消費者調査によると、1年先の期待インフレ率は3.02%と、前月(3.20%)から大幅に低下しました。低下は2ヶ月連続。1月(3.00%)以来、5ヶ月ぶり低水準となっております。
トランプ米政権の関税政策の先行き不透明感から強まっていたインフレ懸念が後退した格好ですが、引き続きFRBの物価目標である2%は上回っております。なお、中期的な見通しを示す3年先は3.00%、長期的な見通しを示す5年先は2.61%と、共に前月から横ばいでした。
NY連銀 米期待インフレ率
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◆ベッセント米財務長官、次期FRB議長選びに着手
ベッセント米財務長官は7月15日に、ブルームバーグテレビとのインタビューで、FRBの次期議長に関して「公式の選定作業が既に始まっている」と述べました。ベッセント氏はこれまで、次期議長に関して今秋にも指名される可能性があるとしておりました。トランプ米大統領やホワイトハウス高官が、FRBへの利下げ圧力を強める中、後任選びも前倒しで進んでいる模様。
次期議長候補に関しては、「FRBの内部にも外部にも立派な候補がたくさんいる」とし、「最終的にはトランプ氏が決める」と述べております。米メディアは、ホワイトハウスのハセット国家経済会議(NEC)委員長やウォーシュ元FRB理事、ベッセント氏自身も候補として取り沙汰されております。
また、ベッセント氏は「トランプ氏は何度もパウエル氏を解任しないと言っている」と説明。その上で、「独立した中央銀行は金融政策を行う上で非常に重要だ」との見解を示しました。
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