世界白金需給
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白金業界団体「ワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)」は5月15日に「Platinum Quarterly」を発表。2023年は30.6トンの供給不足になると予測。3月時点の見通し(17.3トンの供給不足)から大幅に供給不足幅が拡大しております。予想通りとなると、2020年以来3年ぶりに供給不足となります。
また、2023年の上場投資信託(ETF)、取引所在庫、業界の運転在庫を除いた、利用可能な地上在庫は117.9トンと予測。3月時点の見通し(121.3トン)から減少しております。
2023年の世界白金総供給は前年比0.9%減少の223.7トンと予測。3月時点の見通し(231.0トン)から下方修正されております。内訳は、一次供給(鉱山総供給量)は同1.0%減少の171.4トンと予測。3月時点の見通し(173.3トン)から下方修正されました。電力供給への懸念が続く南アフリカの生産量が3月時点の見通しから下方修正されたことが主因。
二次供給量(リサイクル量)は同0.5%減少の52.3トンと予測。自動車触媒からのリサイクル量が3月時点の見通しから下方修正される中、少なくともWPICがデータを公表し始めた2013年以降の最低となる見込み。
2023年の世界白金総需要は同27.7%増加の254.3トンと予測。自動車触媒需要は同12.4%増の101.2トンと予測されており、2017年(102.6トン)以来6年ぶり高水準となる見込み。宝飾需要は同2.0%減の57.9トン、自動車触媒を除く産業需要は同17.1%増の81.7トンと予測。
また、投資需要は白金ETF向け需要やバー・コイン需要が増加するとの見方から、13.5トンと予測。前年(マイナス19.9トン)から急回復すると見込んでおります。なお、ETF向け需要が0.9トンと、3月時点の見通し(マイナス4.1トン)から引き上げられたことが主因。
世界白金需給(データ)
2021年 | 2022年 | 2023年 | 前年比 | |
鉱山総供給 | 193.0㌧ | 173.1㌧ | 171.4㌧ | -1.0% |
鉱山生産量 | 195.9㌧ | 171.8㌧ | 171.4㌧ | -0.2% |
(南アフリカ) | 145.5㌧ | 121.8㌧ | 120.5㌧ | -1.1% |
鉱山在庫 | -2.9㌧ | 1.3㌧ | 0.0㌧ | – |
リサイクル | 64.7㌧ | 52.6㌧ | 52.3㌧ | -0.5% |
総供給 | 257.6㌧ | 225.7㌧ | 223.7㌧ | -0.9% |
自動車触媒需要 | 79.5㌧ | 90.1㌧ | 101.2㌧ | 12.4% |
宝飾品需要 | 60.7㌧ | 59.1㌧ | 57.9㌧ | -2.0% |
触媒を除く産業需要 | 78.9㌧ | 69.8㌧ | 81.7㌧ | 17.1% |
投資需要 | -1.7㌧ | -19.9㌧ | 13.5㌧ | – |
総需要 | 217.4㌧ | 199.1㌧ | 254.3㌧ | 27.7% |
地上在庫 | 121.9㌧ | 148.5㌧ | 117.9㌧ | – |
需給バランス | 40.2㌧ | 26.6㌧ | -30.6㌧ | – |
※豊トラスティ証券調べ、2023年はWPICの予測
※小数点以下は四捨五入につき、合計は必ずしも一致しない
※前年比は2022年と2023年の比較
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