為替レポート
15日のニューヨーク外国為替市場では、米中貿易摩擦激化への懸念や米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ期待を背景に円買い・ドル売りが優勢となり、円相場は1ドル=151円近辺に上昇した。グリア米通商代表部(USTR)代表は14日、CNBCテレビで対中100%追加関税について、「中国の対応次第だ」と述べた。トランプ米大統領はこの対中関税を11月1日に発動するとしており、中国側に改めて譲歩を迫った形となった。トランプ氏は14日に自身のSNSで中国の食用油などの輸入停止を検討していると表明していた。ベセント米財務長官は15日、CNBCテレビに対し米中首脳会談について「私が知る限りトランプ大統領は前向きだ」としたものの、投資家らの米中貿易摩擦激化を巡る警戒感は払しょくされず、円買い・ドル売りの流れが優勢となった。FRBによる年内の利下げが継続されるとの期待も根強い。パウエルFRB議長による前日の発言の一部が今後の利下げに前向きだと受け止められた。ボウマンFRB副議長も14日、年内に開かれるあと2回の連邦公開市場委員会(FOMC)でそれぞれ利下げが決定されるとの見方を改めて示していた。ベセント米財務長官は15日、時事通信など一部記者団に対し、円が対ドル相場で大幅に下落していることについて、「日銀が適切な金融政策を進めれば、自らの(ふさわしい)水準になる」との見方を示したが、円相場の反応は限定的だった。