世界の金需給要(年別)
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産金業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が2月5日に公表した「Gold Demand Trends」によると、2024年の世界金需要は前年比1.4%増加の4553.7トンで、増加に転じました。OTCやその他需要を含めると世界金需要は同0.6%増の4974.5トンと、3年連続で増加。少なくとも統計が遡れる2010年以降で、最高となっております。
世界の金需要(年別)
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公的機関の金購入は同0.6%減の1044.6トンと、2年連続で減少したものの、3年連続で1000トンの大台に乗せております。金価格が歴史的高値圏で推移する中、宝飾品需要は同11.1%減の1877.1トンと、2020年(1398.0トン)以来4年ぶり低水準に留まっております。
バー・コインなど投資用需要は同0.3%減の1186.3トンと、2年連続で減少。バーは同10.0%増の860.0トン。3年ぶりに増加に転じ、2013年(1357.7トン)以来11年ぶり高水準となりました。一方で、コインは同20.0%減の326.3トンと、2年連続で減少。2019年(287.4トン)以来、5年ぶり低水準に留まっております。
金ETF(上場投資信託)関連の金需要はマイナス6.8トン。世界的な「利下げサイクル」に突入する中で、「金利の付かない資産である」金に見直し買いが入りマイナス幅は縮小したものの、4年連続でマイナスとなっております。テクノロジー需要は同6.9%増の326.1トン。3年ぶり増加に転じ、2021年(337.2トン)以来3年ぶり高水準となっております。人工知能(AI)を搭載したパソコンやスマートフォンなどの素材として需要が堅調だった模様。
世界の金供給(年別)
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世界金供給量は同0.6%増加の4974.5トンと、少なくとも統計が遡れる2010年以降で最高となっております。鉱山生産量は同0.5%増の3661.2トン、リサイクル量は同11.0%増の1370.0トンと、共に2010年以降で最高となったことが要因。ヘッジはマイナス56.8トンでした。
世界の金需給(年別)
2023年 |
2024年 |
前年比 |
|
鉱山生産 |
3644.1㌧ | 3661.2㌧ |
+0.5% |
リサイクル |
1234.4㌧ | 1370.0㌧ |
+11.0% |
ヘッジ(ネット・ベース) |
67.4㌧ | -56.8㌧ |
– |
総供給 |
4945.9㌧ | 4974.5㌧ |
+0.6% |
宝飾品 |
2110.6㌧ | 1877.1㌧ |
-11.1% |
宝飾品在庫 |
80.4㌧ | 126.4㌧ |
+57.3% |
テクノロジー |
305.2㌧ | 326.1㌧ |
+6.9% |
公的金購入 |
1050.8㌧ | 1044.6㌧ |
-0.6% |
投資(バー・コイン) |
1189.8㌧ | 1186.3㌧ |
-0.3% |
バー |
781.7㌧ | 860.0㌧ |
+10.0% |
コイン |
408.1㌧ | 326.3㌧ |
-20.0% |
金ETF |
-244.2㌧ | -6.8㌧ |
– |
総需要 |
4492.5㌧ | 4553.7㌧ |
+1.4% |
在庫間移動 |
453.4㌧ | 420.7㌧ |
– |
総需要合計 |
4945.9㌧ | 4974.5㌧ |
+0.6% |
※WGCの資料を基に豊トラスティ証券作成
※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心の注意を払っておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。