NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、ロシア国防省が4月18日にウクライナ各地で300ヶ所を超える標的にミサイルなどで攻撃を加えたと発表。停戦交渉に大きな進展が見られない中、ウクライナ情勢のさらなる悪化への懸念から「安全資産」として買い進められ、4月18日に2003.0ドルを付けるも、終値ベースでは3月10日以来となる2000ドル台回復とはなりませんでした。

先週も多くのFRB高官が5月のFOMC(米連邦公開市場委員会)での0.50%の利上げを主張。FRBのタカ派姿勢が一段と意識され、米長期金利が一時約3年4ヶ月ぶりの水準まで上昇したため、金利を生まない資産である金を手放す動きが強まった模様。また、4月21日にパウエルFRB議長は5月のFOMCで0.50%の大幅利上げを検討することを明らかにしたことを受けて、改めてFRBの積極的な利上げ姿勢が意識される中、4月21日に節目の1950ドルを割り込み、翌22日には1928.0ドルまで下げる場面も見られております。

ダウ工業株30種平均が一時1000ドルを超える下げに見舞われるなど、米株価が急落したため、手元資金確保を目的とした換金売りも地合いを圧迫したようです。

4月23日からブラックアウト期間となり、FRB高官は発言を控える形となりますが、5月3、4日の両日に行われるFOMCまでは上値の重い展開が続きそうです。テクニカル的には、現在取引中の時間外取引で50日平均線を割り込んで来ているだけに、目先は1900ドル割れを試す可能性がありそうですが、原油価格や穀物価格の高止まりが続く中、引き続き「インフレヘッジ」として安値は買い拾われることが想定されます。

今週は、前述の様にブラックアウト期間となり、FRB高官は発言を控える形となりますので、米国では4月29日に発表される3月米個人消費支出(PCEデフレーター)に注目が集まりそうです。

また、4月27、28日に日銀金融政策決定会合が開催されます。日銀が打てる手は限られていると見られておりますが、何らかのサプライズがある様だと、為替相場が再び乱高下する可能性があります。なお、月末には産金業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が需給レポートを公表する予定。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は4月22日時点で1104.13トン。前週比4.63トン増となり、2週連続で増加。世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」も同1.01トン増加の518.54トンで、2週連続で増加となりました。

 

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