世界の金ETF(月足)

↓クリックすると拡大します↓

産金業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が5月6日に公表した「Gold-Backed ETF FLOWS」によると、2022年4月末の世界の金ETF(上場投資信託)関連(161銘柄)の金保有残高は前月末比32.66トン増加の3868.55トンでした。増加幅は、2016年2月(206.38トン増)以来の大きさとなった前月(185.38トン)から縮小したものの、4ヶ月連続で増加。前月に引き続き、月末の残高としては2020年10月(3908.66トン)以来の高水準となっております。

地域別で見てみると、最も増加したのは北米で同16.95トン増加となり、4ヶ月連続で増加。欧州も同16.50トン増となり、6ヶ月連続で増加となりました。インフレ高進への懸念に加えて、ロシアのウクライナ侵攻が長期化していることや世界景気の減速への警戒感から、「インフレヘッジ」や「安全資産」として金を保有する動きが続いた様です。

一方、アジアは同1.07トン減少。中国(18銘柄)は同3.32トン減となった一方、インド(14銘柄)は同2.04トン増、日本は同0.22トン増となりました。銘柄別でみると、中国の売りが目立っておりますが、WGCは労働節に伴う連休を控えて、ポジション調整の売りが出たとしております。

なお、FRBは今月初めに開いたFOMC(米連邦公開市場委員会)で、市場の想定通りに0.50%の大幅な利上げと、新型コロナウイルス危機対応の量的緩和策で膨張した保有資産を圧縮する「量的引き締め(QT)」も決定。声明公表後の記者会見で、パウエル議長が「0.75%の利上げは積極的に検討されていない」と発言し、FRBによる急速な金融引き締めに対する警戒感がやや後退する場面も見られたものの、インフレを抑制のために今後もFRBは積極的な金融引き締めを続けるとの見方は依然多いことから、米長期金利が3%を上回る水準で推移。

金利を生まない資産である金を圧迫する中、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は減少傾向にあります。

 

※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心のっておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。