NY金(中心限月、日足)
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先週のNY金(中心限月)は、米長期金利の上昇やドルインデックスの高止まりを受けて、5月16日に一時1785.0ドルまで下げるも、年初来安値1778.8ドル(1月28日)が意識される中、値ごろ感から安値は買い拾われております。
FRBによる急速な金融引き締めが米景気を冷やすとの見方が強まる中、米小売り大手の決算が市場予想を下回ったことなどを背景に、米国株の下げが止まらず。中国では、上海市が「リスク管理が可能であることを前提に、6月1日から6月中下旬に市民生活と企業活動を正常化する」との方針を発表。都市封鎖(ロックダウン)緩和の動きも一部で出始めているものの、中国の物流停滞により世界的に景気悪化と物価高が同時進行する「スタグフレーション」への警戒感は根強く、景気後退への懸念か「安全資産」として金を買う動きが出始めている様です。なお、世界最大の金ETF(上場投資信託)であるSPDRゴールドの金保有残高も増加し始めております。
今週は5月25日にFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨(5月3、4日開催分)が公表されます。ただ、パウエル議長をはじめ、連日でFRB高官が発言をしており、影響は限定的となりそうです。また、5月24日に5月米PMI速報値が発表されます。市場で景気後退懸念が強まっている一方で、足下の米経済指標は堅調な内容が続いておりますが、最近の株価下落を受けて、景況感が悪化している様だと、再度株価が急落するする可能性もありそうです。
テクニカル的には、200日平均線を2営業日続けて維持。また、MACDがゴールデン・クロスとなって来ております。そのため、200日平均線を維持しつつ、1850ドル台を回復する様だと、4月18日の高値2003.0ドルから5月16日の安値1785.0ドルの下げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の38.2%戻し水準1868.3ドル超えを試す可能性がありそうです。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は5月20日時点で1063.43トン。前週末比7.53トン増加と、4週ぶりに増加に転じました。
5月5日から17日まで9営業日連続で減少していたものの、19日は前日比6.97トン増加。4月18日以来1ヶ月ぶりに増加に転じ、翌20日も7.25トン増加するなど、投機資金が流入し始めている様です。
なお、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.68トン減少の518.16トンで、2週連続で減少となっております。
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