米ドル・円

↓クリックすると拡大します↓

 

米ドル・円は、先週末にトランプ米大統領がFRBのパウエル議長の更迭を検討していると報じられたことに続いて、週明けにトランプ氏はSNSに、「多くの人が『予防的利下げ』を求めている」、「(パウエル氏を)一刻も早く解任すべきだ」と投稿。FRBの独立性が損なわれ、米国の信認が揺らぐとの警戒から米国市場が株式、債券、ドルがそろって下げる「トリプル安」に見舞われる中、4月22日に一時139.88円まで急伸。昨年9月16日以来の139円台を付ける場面もみられております。

その後、トランプ米大統領が一転してパウエル議長を「解任するつもりはない」と発言したことや、米ブルームバーグ通信がベッセント米財務長官が「中国との関税競争は持続的ではなく、状況は改善すると期待している」と発言したと報じたことを受けて、投資家のリスクオフ姿勢が後退する中、ドルが買い拾われて急反発。本日の東京時間に143円台まで戻す場面も見られております。

ただ、トランプ米政権の「相互関税」を巡り、米中が報復措置をエスカレートさせる中、「貿易戦争」が激化し、世界景気が後退するとの懸念や、引き続きトランプ米大統領の「朝令暮改」の発言に振り回されるとの警戒感は強い模様。

また、23、24日の両日に20ヶ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議、24日に加藤財務相とベッセント米財務長官の会談が行われると報じられており、為替が議題の一つになる見通し。

節目の140円を維持出来るかが引き続き焦点となりそうですが、会談で円安是正を求める内容が出てくれば、140円を割り込み、一段と円高が進むとの見方が拡がっております。

一方で、テクニカル的にはMACDが下げ止まりの動きを見せ始めているだけに、イベント通過後も140円を維持する様ですと、3月28日の151.21円から4月22日の139.88円の下げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の38.2%戻し水準144.21円超えを試すことも想定されます。

なお、米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、大口投機家のIMM通貨(円)のネット・ロングは4月15日時点で17万1855枚。過去最高を更新するなど、歴史的な円買い水準を維持しております。

 

IMM円のネット・ロング

↓クリックすると拡大します↓

 

 

※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心の注意を払っておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。