IMFの世界経済成長見通し
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国際通貨基金(IMF)は4月22日に、最新の世界経済見通しを公表。2025年世界成長率を2.8%と予測。前回1月時点の見通しから0.5ポイント引き下げました。2026年も3.0%に下方修正(1月時点の見通しは3.3%)。トランプ米政権の高関税政策の影響で全ての地域が下方修正されました。トランプ米政権の関税政策が二転三転する中、IMFは基本シナリオの予測を4月4日時点とした上で、途中段階で見込んでいた予測値も公表する異例の措置をとっております。
IMFは、「短中期的な見通しには下振れリスクがある」と指摘した上で、2025年世界成長率が「世界景気悪化」の目安となる2%を下回る確率を約3割(同25%)、米国の景気後退は37%(同25%)に、それぞれ引き上げております。
IMFのチーフエコノミスト、ピエール・オリビエ・グランシャ氏は、「(トランプ関税で)過去80年間機能していた世界経済システムがリセットされた。新たな時代に入っている」との見方を示しました。世界貿易の伸び率は2025年に1.7%と、前年(3.8%)から急減速する見込み。
国別 IMFの経済成長見通し
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国・地域別(2025年)で見てみると、米国は1.8%と予測。1月時点から0.9ポイント引き下げております。トランプ米政権の政策の不確実性や貿易摩擦、想定以上の消費鈍化が理由。2026年は1.7%と予測(同2.1%)。高関税が重荷になるとしております。
ユーロ圏は0.8%と予測。1月時点から0.2ポイント引き下げております。2026年は1.2%と予測(同1.4%)。
中国は1月時点から0.6ポイント引き下げて4.0%と予測。2026年も4.0%にとどまり、今年の政府目標の「5%前後」を大きく下回る見通し。
日本は0.6%と予測。1月時点から0.5ポイント下方修正。2026年も0.6%にとどまる見込み。個人消費は力強いものの、米関税の影響や先行き不透明感で効果が相殺されるとしております。
IMF、成長率見通し
2024年 |
2025年 |
2026年 |
|
世界全体 |
3.3% | 2.8%(-0.5) |
3.0%(-0.3) |
米国 |
2.8% | 1.8%(-0.9) |
1.7%(-0.4) |
ユーロ圏 |
0.9% | 0.8%(-0.2) |
1.2%(-0.2) |
英国 |
1.1% | 1.1%(-0.5) |
1.4%(-0.1) |
カナダ |
1.5% | 1.4%(-0.6) |
1.6%(-0.4) |
中国 |
4.8% | 4.0%(-0.6) |
4.0%(0.5) |
インド |
6.5% | 6.2%(-0.3) |
6.3%(-0.2) |
日本 |
-0.2% | 0.6%(-0.5) |
0.6%(-0.2) |
※豊トラスティ証券作成、カッコ内は1月時点からの修正幅
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