ベッセント米財務長官は6月30日に、ブルームバーグテレビとのインタビューで、トランプ米政権はFRBのパウエル議長の後任人事を巡り、2026年序盤に欠員が予定されるFRB理事の席を利用することを検討していると述べました。

1月に任期14年間の(理事の)席が空くとした上で、「来年5月のパウエル氏の任期満了後、その(理事となる)人物が議長となるか、5月に新たな議長を任命するかを検討している」とし、議長候補を事前に理事として送る考えを示しております。

議長昇格を念頭に1月に(理事を)任命することが混乱を招くのではないかとの質問の中で、ベッセント氏は「明らかに、現在FRB内にいる人物が検討対象となっている。1月に別の候補者を加えることで、なぜ混乱が生じるだろうか」と、少なくとも理事会の現メンバーの1人が議長の席を目指していることを示唆しました。

クグラーFRB理事の任期は2026年1月31日に満了となるため、トランプ米大統領は任期14年間の理事を指名し、後に議長に昇格させる選択肢を持つことになります。なお、ベッセント米財務長官は6月27日に、CNBCテレビとのインタビューで、パウエル議長の後任に関して、今年秋にも指名する可能性を示しております。

パウエル議長が、2026年5月までの議長任期満了に伴いFRBを退任する義務はないものの、歴代のFRB議長の大半は退任を選択しております。パウエル氏の理事としての任期は2028年1月31日まで。

◆トランプ米大統領、米金利は日本などと比べ高い

トランプ米大統領は6月30日に、SNSで各国の政策金利一覧を掲示し、米国の政策金利が日本など他国と比べて高過ぎると主張。手書きでパウエルFRB議長に対して、利下げ判断がいつも遅すぎると、改めて不満を表明しました。なお、レビット大統領報道官は記者会見で、トランプ氏がこのメッセージ付きの金利一覧表をパウエル氏に送付したと述べております。

表では、金利が低い上位国としてスイスやカンボジア、日本などが並び、手書きの「注釈」で「(金利を)この辺にすべきだ」と書き加えられております。また、トランプ氏は一覧表に書き込んだメッセージで、「ジェローム(・パウエル)あなたはいつものように『遅すぎ』だ」と批判。「大幅に利下げするべきだ」と訴えた。さらに、利払い負担で「巨額が失われている」との持論を展開。また、「インフレはない」と主張しております。

 

 

※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心の注意を払っておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。