米金融大手6行の純利益(四半期別)
↓クリックすると拡大します↓
米大手銀行6行の2025年4-6月期決算が出揃い、JPモルガン・チェースを除く5社が増収増益となりました。トランプ米政権の高関税政策で相場が大きく変動する中、収益拡大の好機と捉えた売買が活発化し、株式収入が軒並み伸びたことが追い風となった模様。
投資銀行業務が主体のゴールドマン・サックスは、純利益は22%増と急伸。株式トレーディング収益は過去最高となっております。企業のM&A(合併・買収)助言業務が好調だったこともプラスに働いたようです。モルガン・スタンレーも大幅な増収増益を確保しております。
商業銀行業務の比重が大きい4行の融資残高の合計額は前年同期比3%増と8四半期ぶりの伸び率の高さを記録。商業用不動産向けは依然動きが鈍いものの、底堅い米景気を反映し、企業向け融資の残高が伸びております。
日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収に関する助言業務を手掛けたシティグループはM&Sのほか、株式や為替の取引が業績に寄与。バンク・オブ・アメリカは株式に加え、融資が伸長しております。ウェルズ・ファーゴは株式が振るわなかったものの、与信コスト低下が純利益を押し上げたようです。
最大手JPモルガン・チェースは6社で唯一の減収減益でした。前年同期の一時的な利益計上に対する反動が要因。ただ、株式や純金利収入は堅調さを保っております。
なお、JPモルガンのダイモン最高経営責任者(CEO)は、直近の米経済情勢は底堅かったと評価する一方、貿易政策に関する不確実性や財政赤字の拡大に言及し、「重大リスクが残ったままだ」と警戒を示しております。
米金融大手6行の2025年4-6月期決算
純営業収益 |
純利益 |
|
JPモルガン・チェース |
449億㌦ |
149億㌦ |
バンク・オブ・アメリカ |
264億㌦ |
71億㌦ |
ウェルズ・ファーゴ |
208億㌦ |
54億㌦ |
シティグループ |
216億㌦ |
40億㌦ |
モルガン・スタンレー |
167億㌦ |
35億㌦ |
ゴールドマン・サックス |
145億㌦ |
37億㌦ |
※豊トラスティ証券作成
※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心の注意を払っておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。