トランプ米大統領は8月25日に、FRBのクック理事を住宅ローンに関連して虚偽の申告をしたとして、解任手続きに入ると発表。クック氏宛ての書簡をSNSで公表しました。独立した地位が保障されているFRB理事を、大統領が解任するのは異例。
トランプ氏は利下げが遅過ぎるとパウエル議長を再三批判し、辞任するよう繰り返し要求してきましたが、具体的に踏み込むのは初めて。中央銀行の独立性を軽視する強権発動により、金融政策運営の信認が揺らぐとの懸念が高まりそうです。
トランプ氏は書簡で、連邦準備法の規定では、「正当な理由」があれば大統領の権限で理事を解任出来ると主張。クック氏がローン借り入れで優遇的な条件を得るため、銀行への書類や不動産の記録を偽造したとするパルテ連邦住宅金融局(FHFA)局長の告発を踏まえ、「虚偽の申告をした可能性があると思われる十分な理由がある」と強調しました。
クック氏は疑惑には証拠を持って応じる意向を示していましたが、十分な弁明の機会がないまま解任手続きが進む可能性がありますが、米ブルームバーグ通信によると、クック氏は同日に代理人を通じてトランプ氏に解任する権限はないと否定する声明を発表。辞任もせず、今後も職務を続けると述べております。クック氏はバイデン前政権下の2022年、理事に就任。
なお、FOMC(米連邦公開市場委員会)はFRB理事7人とNY連銀総裁は常に投票権を持ち、11人の地区連銀総裁は輪番制で投票権を与えられております。
ボウマン副議長(金融規制担当)とウォラー理事は、7月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、0.25%の利下げを主張。また、8月8日付で早期退任したクグラー理事の後任としてトランプ米大統領はミラン大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を指名しており、9月までに就任する予定となっております。仮にクック理事がこのまま解任されてトランプ氏が意中の人物を送り込むようですと、理事の過半数が「トランプ派」になる可能性があります。また、ベッセント米財務長官はジェファーソン副議長を次期FRB議長候補としており、政権側に取り込む意図があるとの見方が出ております。
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