ダウ工業株30種平均
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昨晩のダウ工業株30種平均は、前営業日比350.06ドル高の45621.29ドルで終了。
8月22日に一時45757.84ドルまで上昇し、最高値を更新。FRBによる早期利下げ観測を背景に、その後も堅調な値動きが続いていたものの、人工知能(AI)需要を巡る先行き不透明感が強まる中、8月29日から9月3日まで3営業日続落となりました。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが、中国の阿里巴巴(アリババ)集団が新たに人工知能(AI)向けの半導体を開発したと報じたことを受けて、米中間でAI半導体の開発競争が激化するとの懸念が拡がる中、ハイテク株を中心に売られる展開になったようです。日米欧で政治不安や財政懸念が拡がり、長期金利が上昇する中、株式の相対的な割高感も意識された模様。
8月下旬に開催された「ジャクソンホール会議」でのパウエルFRB議長の発言を受けて、市場が改めてFRBの9月利下げを織り込み始める中、焦点は年内の利下げ回数に移っております。FRBの利下げペースを占う上で、9月5日に発表される8月米雇用統計に注目が集まりそうです。市場では非農業部門就業者数は前月比7.5万人増と予想されており、前月(7.3万人増)からわずかに拡大する見通し。一方、失業率は4.3%に悪化する見込み(前月は4.2%)。
前述のように、市場は既に9月の利下げを織り込んで推移しており、非農業部門就業者数の伸びが前月と同程度であれば、材料出尽くし感が強まり、短期的に45000ドルを割り込む可能性もありそうです。その場合、50日平均線を維持出来るか注目されます。
一方で、今週発表された米雇用指標は軒並み市場予想を下回る内容で、米労働市場の減速を裏付ける内容となりました。パウエルFRB議長は、利下げの判断材料として雇用を重視する姿勢を示しており、就業者数の伸びが市場予想を大幅に下回る結果となるようですと、年内3回の連続利下げ観測が強まり、最高値更新を試しそうです。ただ、トランプ米政権による相互関税の合法性や米財政を巡る懸念が根強い中、最高値更新後は買い方の利喰い売りに押されることも想定されます。とは言え、FRBによる早期利下げ観測が株価を下支える形となり、底堅い展開が続きそうです。
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