米ドル・円

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米ドル・円は、FOMC(米連邦公開市場委員会)を控えて様子見ムードが強まる中、引き続き147円台で揉み合う展開が継続。その後、FOMCでFRBは昨年12月以来9ヶ月ぶりに利下げを再開することを決定。発表直後に一時145.48円まで円高が進み、7月24日以来の145円台を付ける場面もみられております。

ただ、90日平均線がサポート・ラインとして意識されたことに加えて、FOMCは市場の想定内の内容にとどまったとの見方から材料出尽くし感が強まり、米長期金利が上昇に転じたため、ドルが買い拾われて反発に転じました。

翌18日に148円台を回復したものの、無風とみられていた日銀金融政策決定会合で大規模金融緩和の一環で購入した上場投資信託(ETF)と上場不動産投資信託(J-REIT)の売却が決定されたことを受けて日経平均株価が急落したため、円が急伸。147円台前半まで円高が進む場面もみられております。政策金利は5会合連続で据え置かれたものの、高田、田村両審議委員が利上げが適切だとして政策金利の維持に反対票を投じたため、早ければ10月会合で追加利上げが決定するとの思惑買いも拡がった模様。

「中銀ウィーク」を通過しても、90日平均線と200日平均線のレンジを脱し切れずとなっております。FRBは9ヶ月ぶりに利下げを再開することを決定したものの、パウエルFRB議長は声明公表後の記者会見で、今回の利下げは「リスク管理のための利下げ」と説明。また、FOMC参加者の政策金利見通しで、年内にあと2回の利下げが行われるとの想定が示されたものの、細かく見てみると参加者19人のうち7人が、年内にさらなる利下げは必要ないとの見通しを示しており、FRBが積極的な「利下げサイクル」に着手するとの期待がやや後退しております。

国内に目を向けても、石破首相の退陣表明を受けて、国内の政局不安や次期政権が財政拡張的な政策を打ち出すとの思惑が拡がる一方で、日銀の追加利上げ観測は根強く、レンジ脱するには至らずとなっております。とは言え、レンジの幅は狭まってきており、そろそろ新しいトレンドが発生する気配は出始めているように見えます。

最後に、米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、大口投機家のIMM通貨(円)のネット・ロングは9月9日時点で前週比1万8385枚増加の9万1643枚と、増加に転じました。

 

IMM円のネット・ロング

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