米国の財政収支

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米上院は11月4日に、与党共和党主導のつなぎ予算案を否決しました。医療関連予算の増額を巡る与野党対立で、予算案が上院を通らなかったのは14回目。予算切れのため、10月1日から続く政府機関の一部閉鎖は5日に36日目に突入。第1次トランプ米政権時(2018年12月〜2019年1月)に記録した35日間を上回り、過去最長を更新しております。

つなぎ予算案は9月に下院で可決済み。上院通過にはフィリバスター(議事妨害)を回避するために民主党の協力が必要となりますが、同党は年末に失効する医療保険制度(オバマケア)への補助の延長などを予算案に盛り込むように要求。これに対し、共和党は前年度の支出規模を維持する予算を先ずは成立させ、政府再開してから医療問題を協議する姿勢を崩さず、与野党対立はこう着状態に陥っております。

閉鎖長期化により、連邦議会の機能停止が続く中、影響は徐々に深刻になっております。米農務省は米国版の生活保護制度にあたり、「フードスタンプ」の名称で1960年代から続く社会のセーフティーネットであるSNAP(補助的栄養支援プログラム)を11月1日から停止すると発表。一部の連邦地方裁判所が継続を求めるなど混乱が生じております。また、航空分野では航空管制官の病欠が急増。人手不足により、航空便の遅延が拡大しております。

◆トランプ米大統領、政府再開なければフードスタンプ支給せず

トランプ米大統領は11月4日に、フードスタンプの支給は「過激な左派の民主党が政府を再開する時にのみ支給される。彼らには簡単に出来ることだ。その前には(支給することは)ない!」とSNSに書き込みました。一方、非営利団体の弁護士らは連邦地裁判事に対し、ホワイトハウスに全額支給を命じるよう求めております。

◆米野党民主党指導部、トランプ米大統領に直接協議要求

米野党民主党の議会指導部は11月5日に、トランプ米大統領への書簡で、政府機関の一部閉鎖を終わらせるため、トランプ氏や与党共和党の議会指導部との直接協議を求めました。民主党下院トップのジェフリーズ院内総務と、上院トップのシューマー院内総務は政府閉鎖と「医療危機」の終結に関し、「両党指導部の会合を要求する」と表明。「民主党はいつでも、どこでも、あなたと対面で会談する用意ができている」と強調しております。

民主党は、つなぎ予算案に医療保険制度(オバマケア)の補助延長などを盛り込むよう要求しており、ジョンソン下院議長(共和党)は5日の記者会見で、「政府閉鎖と医療はまったく無関係な問題だ」と明言。民主党側に改めて前年度の支出水準をほぼ維持するつなぎ予算案への支持を求めております。

◆米運輸省、政府閉鎖続けば航空機の運航を1割減へ

航空管制官の欠勤が重なり、全米でフライトの遅延が相次ぐ中、米運輸省は11月5日に、米政府閉鎖が続けば7日から航空機の運航量を1割減らすと発表しました。40の米主要空港が対象という。政府閉鎖により、無給で勤務を続ける航空管制官の負担を軽減する目的。

 

 

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