ドル指数

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主要通貨に対する米ドルの総合的な強さを示すドル指数は11月4日に、5月20日以来の100台を回復しました。

10月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、FRBは9月に続いて2会合連続で利下げを決定。ただ、カンザスシティー連銀のシュミッド総裁が金利据え置きを訴えて反対票を投じました。また、12月会合での利下げを巡り、パウエル議長が記者会見で「既定路線ではない」と発言。FRBは市場が想定していたよりも利下げに慎重だとの見方が拡大。ブラックアウト期間が明けてFRB高官の発言が相次ぐ中、雇用とインフレへのリスク対処を巡り、FRB内で依然として見方が割れていることが浮き彫りとなり、市場で12月のFOMCでの追加利下げ観測が後退していることから、ドルが買い戻されている模様。

◆最近のFRB高官の発言

・FRBのミラン理事は11月3日に、ブルームバーグテレビとのインタビューで、FRBの政策金利は「景気抑制的過ぎる」との見解を示し、FRBの政策が「より長く抑制的なほど、金融政策が景気圧迫リスクを招いてしまう」と警告しました。

・FRBのボウマン副議長(金融規制担当)は11月4日に行われた対談イベントで、雇用下振れリスクが懸念の焦点だとし、「労働市場の潜在的な脆弱さの悪化」が続く可能性があると警戒。その場合には、利下げを支持すると明言しました。

・FRBのクック理事は11月3日の講演で、10月のFOMCでは「雇用下振れリスクがインフレ上振れリスクより大きい」と判断し、0.25%利下げを支持したことを明らかにしました。経済動向を踏まえて「会合ごとに自らの金融施策スタンスを決める」とした上で、「次回12月会合を含め、どの会合も『ライブ』だ」と述べております。

・FRBのウォラー理事は10月31日にFOXビジネスとのインタビューで、「最大の懸念は労働市場だ」と明言。その上で「次回12月会合での利下げをなおも支持している」と述べました。

・シカゴ連銀のグールズビー総裁は11月3日にヤフー・ファイナンスとのインタビューで、インフレ率はFRBが目標とする2%をなお大きく上回っていると指摘し、追加利下げを急がない考えを示しました。

・サンフランシスコ連銀のデイリー総裁は11月3日の対談イベントで、10月のFOMCで0.25%利下げを支持したことを明らかにし、「追加利下げは適切だった」と言明。一方、次回12月会合に関しては「オープンマインドを保つ」と述べ、経済動向を踏まえて柔軟に対応する意向を示しました。

・クリーブランド連銀のハマック総裁は10月31日の対談イベントで、次回12月会合に関して問われ、インフレリスクを踏まえればFRBは政策スタンスを「景気抑制的に保つ必要がある」と述べ、利下げ継続に関して否定的な見方を示しました。

・ダラス連銀のローガン総裁は10月31日の講演で、インフレ率は依然として高い一方で、雇用下振れリスクにはこれ以上の予防的措置を取る必要はないとし、10月のFOMCで「利下げする必要はなかった」と明言。また、インフレ急鈍化や雇用のさらなる急減速がなければ、「12月会合での追加利下げも難しい」と述べております。

・カンザスシティー連銀のシュミッド総裁は10月31日に公表した声明で、労働市場は需給均衡し、経済には引き続き勢いがあり、インフレは依然高過ぎると分析。10月のFOMCでは「政策金利維持が適切と判断した」と強調しました。シュミッド氏は10月のFOMCで政策金利の据え置きを主張し、反対票を投じております。

 

 

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