米ドル・円
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米ドル・円は、銀が金融政策決定会合で利上げを決定したものの、利上げは市場で既に織り込み済みであった上に、声明文や植田総裁の会見がハト派な内容との見方が拡がる中、円売りドル買いの動きが強まり、12月19日に157.78円まで円安が進む場面も見られております。
ただ、22日に三村財務官が「一方向で急激な動きが見られ、憂慮している」、「行き過ぎた動きには適切な対応を取りたい」と発言。23日には片山財務相が足元の為替動向について「投機的と言っていい」と述べた上で、9月に発出した日米財務相共同声明に沿って「行き過ぎた動きには対応をとる」とし、「私はフリーハンドだ」と強調。そのため、政府・日銀による円買い介入への警戒感が拡がる中、円安が一服しております。
155円台半ばまで円高が進むも、2025年7-9月期米実質GDP(国内総生産)速報値が年率で前期比4.3%増となり、前期(3.8%増)から加速。市場予想(3.2%増)も大幅に上回るなど、米経済の底堅さが示されたため、米長期金利が上昇。日米金利差拡大を意識した円売り・ドル買いの動きが強まり、心理的節目の155円を維持。クリスマス休暇に伴い市場参加者が少なくなる中、その後は155円を中心とした狭いレンジで揉み合う展開に。
ただ、高市政権が26日に2026年度予算案を閣議決定し、一般会計総額は122兆3092億円と、前年度当初を7兆円あまり上回り、2年連続で過去最大を更新。高市政権の財政拡張路線が改めて意識される中、円売り・ドル買いの動きが強まり、156円台に乗せてきております。
「責任ある積極財政」を掲げる高市政権の拡張的な財政政策が財政悪化につながるとの懸念が根強い一方で、政府・日銀による円買い介入への警戒感が強まる中、相場の方向感が出にくいとの見方が多いようです。ただ、年末年始を控えて、国内市場も参加者が少なくなる時期となるだけに、ボラティリティ大きい展開となることには注意したいところです。
なお、今週は31日にFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨(12月9、10日開催分)が公表されます。また、トランプ米大統領が年明け早々にも指名するとみられる次期FRB議長人事も注目されます。
最後に、米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、大口投機家のIMM通貨(円)のネット・ロングは12月16日時点で前週比2万0390枚減少のマイナス2942枚と、2週連続で減少。ネット・ショートに転じております。
IMM円のネット・ロング
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