NY原油

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昨晩のNY原油(中心限月)は前営業日比10.10ドル安の88.13ドルで終了。トランプ米大統領が、イランの発電所への攻撃を延期する方針を示したことを受けて早期停戦への期待感が拡がり、急反落。一時84.37ドルまで下げるなど、3月11日以来の90ドル割れで終了しております。ただ、中東情勢の先行き不透明感は依然として強いことから、現在取引中の時間外取引は反発に転じております。

トランプ米大統領は3月23日にSNSで、イランとの敵対関係の「完全かつ全面的な解決」に向け、「生産的な対話」を行ったとことを明らかにした上で、5日間は猶予期間としてイランの発電所などへの攻撃を控える意向を示しました。

その後、記者団に対してイランと戦闘終結に向けて協議していることを明らかにし、両国の代表が「ごく近いうちに、直接会うことになるだろう」と述べております。イスラエルのネタニヤフ首相とも23日に電話会談を行い、戦闘終結の条件などを議論した模様。双方が取引を望んでおり、「順調に進めば戦闘収束で決着するだろう。さもなければ爆撃を続けるだけだ」と語っております。

トランプ氏は米国とイランが22日に協議し、「主要な点で意見が一致した」と主張。イランが核兵器を保有しないことに合意し、イラン国内の濃縮ウランは米国が押収するとしました。また、ホルムズ海峡については、将来的に米国を含む「共同管理となる」との見方を示しております。ただ、イラン高官は「交渉はこれまでも行われておらず、今後も行われる予定はない」と交渉の事実を否定しております。

米メディアによると、トランプ米政権は4月9日を戦闘終結の日に定め、今週にもパキスタンの首都イスラマバードで対面協議を開く方向で調整を進めている模様。

トランプ氏は「最も尊敬される人物を相手にしている」と述べ、交渉相手は現最高指導者のモジタバ・ハメネイ師ではないと説明。米メディアはガリバフ国会議長が対米協議を主導していると報じていますが、同氏は23日にX(旧ツイッター)で、「米国と交渉していない」と協議を否定しております。なお、ガリバフ氏は保守強硬派として知られ、テヘラン市長や革命防衛隊司令官を務めた人物。

トランプ米大統領は対話継続の姿勢を示しているものの、米メディアはトランプ米政権が数千人の米海兵隊を中東に追加派遣すると報じており、イラン側が米国の要求に消極的な回答をすれば、地上作戦に踏み切る可能性も残されております。

◆トランプ米大統領、陸軍空挺部隊の派遣検討か

米紙NYタイムズは3月23日に、米国防総省が対イラン軍事作戦の一環で、陸軍空挺部隊の派遣を検討していると報じました。ペルシャ湾に浮かぶイランの主要原油積み出し拠点カーグ島の占拠のために投入される可能性があるとしております。なお、カーグ島占拠が実行された場合、駐留先の沖縄県から中東地域に向かっている海兵隊の即応部隊「第31海兵遠征部隊」を投入する可能性もあるとみられております。

◆国連安保理、武力行使容認の決議案提示

ロイター通信によると、国連安全保障理事会の非常任理事国を務めるバーレーンは、イランに事実上封鎖されているホルムズ海峡を航行する商業船舶の安全を確保するため、武力行使を含む「あらゆる手段」の使用を認める決議案を理事国に提示しました模様。

決議案は、「商業船舶などへのあらゆる攻撃や、航行の自由を妨げる試みの即時停止」をイランに要求。単独または複数の加盟国の海軍が「必要なあらゆる手段」を用いることを容認する内容となっております。なお、フランスが別の決議案を検討しているとも報じられております。

◆IEAのビロル事務局長、ホルムズ海峡開放が「唯一の解決策」

国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は3月23日に、米国とイスラエルによるイラン攻撃に伴う石油供給網の混乱に関して、「最も重要かつ唯一の解決策は、ホルムズ海峡を開放することだ」と強調しました。

また、1970年代の石油危機の2倍を超える損害が発生していると指摘。ビロル氏は、今回の紛争で中東の40ヶ所以上の石油関連施設が攻撃を受けたと説明。「73、79両年の石油危機の際の1日当たりの損害は日量約500万バレルだったが、今回は日量1100万バレルに上っている」ことを明らかにしました。天然ガスの損害についても、2022年にロシアがウクライナに侵攻した後よりも規模が大きいとの見方を示しております。

◆トランプ米大統領の投稿直前に、元本5億8000万ドル規模の原油取引

英紙フィナンシャル・タイムズは3月23日に、トランプ米大統領がイランとの「生産的な対話」をSNSで表明するわずか約15分前に、想定元本が5億8000万ドル規模に上る大量の原油先物取引が成立していたと報じました。

市場では、事前に情報を知り得ていた人物がいたのではと勘繰りたくなるような動きとの声も聞かれる中、ホワイトハウスのデサイ報道官は「ホワイトハウスは内部情報を悪用して違法に利益を得る行為を容認しない。証拠なしに当局者がそのような行為に関与したと示唆するのは、根拠がなく無責任な報道だ」とコメントしております。

 

 

 

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