NY原油(中心限月)は、イラン情勢緊迫化に伴う供給不安が一段と強まり、週明け3月9日の時間外取引で急騰。2022年7月20日以来、3年8ヶ月ぶりに100ドル台を回復。その後も上昇が続き、一時119.48ドルまで上昇するなど、終値では2022年6月13日以来の120ドルに迫る場面も見られております。

ハメネイ師の後継に同師の次男で反米強硬路線とみられているモジタバ・ハメネイ師が選出されたことや、トランプ米大統領がイランへの地上部隊派遣を選択肢として検討していると報じられたことを受けて、軍事作戦の長期化に対する警戒感が強まり、買いが殺到した模様。

ただ、トランプ米大統領が「イランとの戦争はほぼ終わった」と発言したことを受けて、一転して急落。主要国が協調して石油備蓄を放出するとの観測が拡がる中、翌10日も大幅安となり、前営業日比11.32ドル安で終了。1日の下落幅としては2022年3月9日(15.00ドル安)以来の大きさとなっております。ただ、一時76.73ドルまで下げるも、米CNNが米情報筋の話として、イランがホルムズ海峡に機雷を敷設し始めたと報じたことから、安値から切り返して終了。

その後、国際エネルギー機関(IEA)の加盟国が石油備蓄の協調放出で合意。放出量は過去最大規模の計4億バレルとなったものの、備蓄放出規模は海峡封鎖によって減少した石油の約25日分に留まるため、原油価格の押し下げ効果は一時的との見方が台頭。ホルムズ海峡が事実上封鎖された状態が続く中、改めて供給懸念が意識されて急反発。11日に97.19ドルまで上昇する場面も見られております。

トランプ米大統領が軍事作戦の早期終結の可能性を示唆した一方、ヘグセス米国防長官は10日に、イランへの軍事作戦に関し「敵が完全かつ決定的に敗北するまで、我々は決して手を緩めない」と発言するなど、トランプ米政権から戦争終結に向けた明確な出口戦略は見えず。一方で、イランは湾岸諸国の石油施設への攻撃に加えて、ホルムズ海峡で機雷の敷設を開始するなど、徹底抗戦の構えを崩していないため、来週も中東情勢を見ながら、ボラティリティの高い局面が続きそうです。

ホルムズ海峡が事実上封鎖される中、供給への懸念は解消されづらく、原油価格に上昇圧力が掛かり易い状態が続くとみられております。軍事作戦の長期化懸念が強まる中、再度100ドルを突破することも想定されます。

 

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