NY原油
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NY原油(中心限月)は、中東情勢に関するヘッドラインに揺さぶられる展開が続いております。3月23日は一時84.37ドルまで下げるなど、3月11日以来の90ドル割れで終了。ただ、安値は買い拾われて反発。イラン紛争の長期化に伴う供給混乱懸念が強まる中で買い進められ、3月30日は102.88ドルで終了。終値では2022年7月20日以来、3年8ヶ月ぶりに100ドル台を回復しました。
その後、トランプ米大統領が対イラン軍事作戦の早期終結の可能性を示唆したことから100ドルを割り込む場面も見られたものの、終値では大台を維持。トランプ米大統領が4月1日に行ったイラン情勢を巡る米国民向けの演説で「目標達成は近づいている」と強調した一方、「今後2~3週間は激しく攻撃する」と述べたことから、戦闘の早期終結期待が後退。米国・イスラエルとイランの軍事衝突が続き、エネルギー供給の混乱が長期化するとの懸念が改めて強まる中、2日に急伸。一時113.97ドルまで上昇するなど、終値では2022年6月28日以来3年9ヶ月ぶり高値で終了しております。
トランプ米大統領は演説で戦闘終結に向けた道筋を示さず、「イランを石器時代に引き戻す」と表明。2日にSNSにイラン最大の橋が崩壊したと投稿し、「イランは手遅れになる前に合意すべき時だ」と強調しました。イランの重要インフラへの攻撃を始めたことを受けて、米国が大規模な軍事攻撃を実施するとの懸念が出始めております。
前述のようにトランプ氏は軍事作戦が「2〜3週間」になるとの見通しを示した一方、イランのアラグチ外相は少なくとも6ヶ月間の戦闘への備えがあると述べ、長期戦を辞さない構えを示していることから、戦闘の長期化懸念も根強いようです。
また、ホルムズ海峡の実質的な封鎖が続く一方、イランがイエメンの親イラン武装勢力フーシに対して、紅海を航行する船舶への攻撃準備を促していると報じられており、紅海とアデン湾を結ぶバブルマンデブ海峡も封鎖に追い込まれれば、エネルギー市場のさらなる混乱は必至の情勢。その場合、3月9日の高値119.48ドルを上抜いて、心理的節目の120ドルを突破する可能性もありそうです。なお、ブルームバーグ通信は3月31日に、英エネルギー市場コンサルタント会社FGEネクサントECAの見解として、ホルムズ海峡の事実上の封鎖が今後6~8週間続けば、原油価格は150~200ドルにまで上昇する可能性があると報じております。
一方で、中国の船舶3隻がホルムズ海峡を通過するなど、イランは「友好国」の船舶であれば通航料の支払いによって航行を認め始めている模様。また、ブルームバーグ通信が、イランがオマーンと共にホルムズ海峡を通過する船舶の監視を目的とした協定案を策定していると報じるなど、通行再開の兆しも出始めております。
また、全米自動車協会(AAA)によると、米国のレギュラーガソリンの平均価格(3月31日時点)は4ドルを突破。11月の中間選挙に向けて「アフォーダビリティー(価格の手ごろさ)」が焦点となる中、原油高の長期化を避けるために、トランプ米大統領が対イラン軍事作戦の早期終結の可能性を示唆する可能性に再び言及するとの見方も出ているようです。
停戦に向けた交渉が進むとの期待と戦闘長期化に伴う供給リスクへの根強い警戒感が入り交じる中、引き続き中東情勢をにらみながら、ボラティリティの高い局面が続きそうです。ただ、いずれにせよ、ホルムズ海峡の封鎖が解除されない限り、原油供給に対する混乱は解消されづらいとの見方から、目先は100-120ドルのレンジで推移することが想定されます。
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