NY原油
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NY原油(中心限月)は、イランによるホルムズ海峡開放の表明を受けて、4月17日に急落。終値では3月23日以来の90ドル割れとなりました。
イランのアラグチ外相は17日に、米国との停戦の残り期間中は、全ての商船に対してホルムズ海峡を「全面的に開放する」と表明。トランプ米大統領は同日にSNSで、イランはホルムズ海峡を二度と封鎖しないことで合意したと述べたほか、イスラエルはこれ以上レバノンを攻撃しないと投稿したことから、一時80.56ドルまで下げる場面も見られております。
ただ、米国がイランの港湾に出入りする船舶の封鎖を続けていることに反発し、対米強硬派の「革命防衛隊」がホルムズ海峡を厳格管理する体制に戻したと表明したことから、週明けの時間外取引は急反発。米国とイランの2週間の停戦期限が迫り、和平協議を巡って情報が錯綜する中、ボラティリティーの高い局面が継続。
その後、トランプ米大統領がSNSで21日に、イランとの停戦を延長すると表明。新たな期限は明示せず、「イランとの協議の結論が出るまで」停戦を続ける方針を示しました。イランの港湾への船舶の出入りを阻止する海上封鎖は継続するとしたものの、トランプ氏がイランとの停戦延長を表明したことを受けて一時87.64ドルまで下げる場面も見られております。ただ、戦闘終結に向けた協議は難航しており、ホルムズ海峡の航行の正常化には時間が掛かるとの見方から、次第に買いが優勢となりました。
イランメディアが、対米強硬派の革命防衛隊が22日に、ホルムズ海峡の通航に必要な許可を得ていなかったとして、イスラエルに関係する船舶を含め計2隻を拿捕したと報じるなど、米国とイラン双方がホルムズ海峡の船舶の往来を妨害する、相互封鎖の様相を呈する中、根強い原油供給への不安から23日に98.39ドルまで上昇する場面も見られております。
前述のように、トランプ米大統領は停戦の具体的な期限を示さなかったものの、米ニュースサイトのアクシオスは22日にトランプ氏は3〜5日間の停戦延長を想定していると報じ、NYポストは同日に、米国とイランの協議は早ければ24日に再開する可能性があると報じております。レビット米大統領報道官は一連の報道を「事実ではない」と否定しましたが、11月の中間選挙や5月の訪中を控えて、市場では早期に戦闘終結に持ち込みたいのがトランプ米大統領の本音との見方が多く、米国とイランの戦闘が終結に向かうとの期待感は依然強いようです。
ただ、イラン指導部内で対米強硬派と対話を探る現実派の対立が激化していると報じられる中、対米交渉にあたっていたガリバフ国会議長が交渉の担当から外れると伝えられており、和平協議は一段と難航する可能性がありそうです。戦闘終結の合意が出来ないまま、しばらく停戦状態が続くことも想定されます。
引き続き和平協議に関するヘッドラインに揺さぶられる展開が続きそうです。業を煮やしたトランプ米大統領が再攻撃に踏み切るなど、再度「地政学リスク」が高まれば100ドルを上回る場面もありそうですが、早期の戦闘終結への期待感は根強いことから、短期の上昇に留まりそうです。
一方で、切り上がって来ている50日平均線を割り込むようですと、ストップロスを巻き込んで再度80ドル近辺まで下げることも想定されます。ただ、原油供給に対する懸念が根強い中、安値は買い拾われ易いとの見方が多い模様。ホルムズ海峡の航行正常化には時間を要するとの見方に加えて、イランの攻撃で損傷を受けた湾岸諸国のエネルギー関連施設の修復や再稼働には時間を要するため、原油の供給能力が完全に回復するのに時間が掛かるとみられております。
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