米大手金融機関シティ・グループは5月19日に、ブレント原油価格が短期的に1バレル=120ドルまで上昇するとの見通しを示しました。強気シナリオでは、イラン紛争に伴い原油輸送の要衝ホルムズ海峡が7-9月期中に段階的に再開する想定の下、150ドルに達する可能性もあるとしております。

同行は原油市場について、長期的な供給途絶リスクと、確率は低いが発生すると影響の大きい「テールリスク」をかなり過小評価していると指摘。2027年の原油価格見通しは極めて予測困難であるとしつつ、イランがホルムズ海峡の航路を管理し、原油輸出が需要の伸びと均衡する前提で、80-90ドルの範囲で推移するとの見通しを示しております。

また、今年の原油需要の伸びは日量60万バレル減少すると予測。在庫減少と製油所による減産が最終的な需要の減少幅を限定的に隠しているため、見かけ上の需要の弱さは実際の消費減少を過大評価している可能性が高いと指摘しました。なお、世界の原油在庫は今年約10億バレル減少するとの見方を示しております。

◆IEA事務局長、商業石油在庫は残り数週間分

国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は5月18日に、イラン戦争とホルムズ海峡での船舶通航停止により、商業用石油在庫が急速に減少しており、残りはわずか数週間分しかないとの見方を示しました。

戦略石油備蓄の放出により日量250万バレルの原油が市場に供給されているとしつつ、こうした備蓄は「無限ではない」と指摘。米国とイスラエルによる2月末のイラン攻撃開始前は、原油市場には大幅な供給過剰があり、商業在庫は非常に高い水準にあったものの、戦争によって状況は急速に変化。商業在庫は「数週間はもつだろうが、急速に減少しているという事実を認識すべきだ」と述べておりますた。

また、ビロル氏は北半球では春の植え付けシーズンと夏の旅行シーズンが始まるため、ディーゼル燃料、肥料、ジェット燃料、ガソリンの需要が増加し、在庫はより急速に減少するとの見方を示しました。

 

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