IMFの世界経済見通し
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国際通貨基金(IMF)は7月8日に、最新の世界経済見通しを公表。2026年世界成長率を3.0%と予測。4月時点の見通しから0.1ポイント引き下げております。米国・イスラエルとイランの紛争に伴う原油価格高騰が要因。ただ、人工知能(AI)ブームに伴う投資拡大が原油高の影響を一部相殺し、成長は緩やかな減速にとどまるとしました。2027年は3.4%と、4月時点の見通しから0.2ポイント上方修正。
2026年の世界インフレ率は4.7%と、4月時点の見通しから0.3ポイント引き上げております。2027年は3.9%と予測(4月時点の見通しは3.7%)。原油や天然ガス、肥料の値上がりが物価を押し上げる一方、食品とエネルギーを除けばインフレ圧力は大きくないとしました。
IMFは、「全体的に世界経済は恐れていたほど深刻な影響を受けずに乗り切っている」と評価。エネルギー価格は紛争前の水準よりも2割強高いものの、各国による石油備蓄の放出などが奏功し、石油価格は比較的小幅な上昇にとどまったと分析しました。ただ、紛争再発によるエネルギー価格の上昇余地があると警鐘を鳴らしております。
なお、今回の予測は、米国とイランの戦闘終結に向けた覚書合意を受けて、封鎖状態に追い込まれた原油輸送の要衝ホルムズ海峡は来年3月までに概ね軍事衝突前の状態に戻ると仮定したものとしております。
国別 IMFの世界経済見通し
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国・地域別(2026年)で見てみると、米国は2.3%と予測。4月時点の見通しで据え置いております。ガソリン価格高騰が懸念されるものの、AIへの投資が国内経済を下支えするとしております。2027年は2.2%と予測(4月時点は2.1%と予測)。
エネルギー高が重荷となるユーロ圏は0.9%と予測。4月時点から0.2ポイント引き下げております。2027年は1.2%と予測(4月時点は1.2%と予測)。中国は4.6%と予測。4月時点から0.2ポイント引き上げました。2027年は4.1%と予測(4月時点は4.0%と予測)インドは6.4%と予測。4月時点から0.1ポイント引き下げております。2027年は6.7%と予測(4月時点は6.5%と予測)。
日本は0.6%と予測。4月時点の見通しから0.1ポイント引き下げております。一方で、財政支援策がエネルギー高の悪影響を部分的に緩和するとの見方から、2027年は0.7%と予測。4月時点の見通しから0.1ポイント引き上げました。
また、ホルムズ海峡封鎖に伴い、石油輸送が混乱に陥ったカタール、イラク、クウェートは2027年に2桁成長を遂げ、急回復すると予測。
◆世界経済、中東紛争でも強固に推移
国際エネルギー機関(IEA)、国際通貨基金(IMF)、世界銀行、世界貿易機関(WTO)のトップは7月8日に、世界経済は中東紛争のショックに対して概ね強固に推移しているとする共同声明を発表しました。
声明で、紛争が経済成長や物価の安定に対する深刻な懸念を引き起こしていると指摘し、紛争解決に向けたさらなる進展と、ホルムズ海峡の通航再開を要請。「不確実性は依然として高く、紛争の影響は長引く可能性がある。エネルギー市場と物資輸送は依然として逼迫している」と警告しました。
また、加盟国と連携してエネルギー、貿易、経済の動向を監視し続けると共に、必要に応じてさらなる手段を取る態勢を強化すると強調しました。各国がエネルギーや食料、貿易、経済の強靱性を高めることへの援助が想定されるとしております。
◆IMF報道官、フォワードガイダンスの見直し自然
国際通貨基金(IMF)のコザック報道官は7月9日に、中央銀行が政策の先行きを示す「フォワードガイダンス」を巡り、「状況変化に応じてコミュニケーション手法を見直すことは自然なことだ」との認識を示しました。一方、コザック氏は中央銀行がゼロ金利政策を導入した初期の時点では、フォワードガイダンスは特に有用だと述べております。
米経済を巡っては、投資が活発で生産性が向上していると分析しつつも、米国・イスラエルとイランの戦闘に伴う原油高騰で「インフレに新たな圧力が生じる」と予測。FRBが掲げるインフレ率2%目標の達成は来年末にずれ込むとの見方を示しました。ただ、「インフレ期待は比較的落ち着いている」と述べ、原油高によって幅広い製品の価格が上昇するとの見方に否定的な考えを示しております。
IMFの世界経済見通し
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2025年 |
2026年 |
2027年 |
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世界全体 |
3.5% | 3.0%(-0.1) |
3.4%(+0.2) |
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米国 |
2.1% | 2.3%(0.0) |
2.2%(+0.1) |
|
ユーロ圏 |
1.4% | 0.9%(-0.2) |
1.2%(0.0) |
|
英国 |
1.4% | 1.0%(+0.2) |
1.3%(0.0) |
|
カナダ |
1.9% | 1.1%(-0.4) |
1.7%(-0.2) |
|
中国 |
5.0% | 4.6%(+0.2) |
4.1%(+0.1) |
|
インド |
7.7% | 6.4%(-0.1) |
6.7%(+0.2) |
|
ブラジル |
2.3% | 2.4%(+0.5) |
2.2%(+0.2) |
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日本 |
1.1% | 0.6%(-0.1) |
0.7%(+0.1) |
※豊トラスティ証券作成、カッコ内は4月時点からの修正幅
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