◆最近のFRB高官の発言
・ボストン連銀のコリンズ総裁は、インフレ高止まりが続けば9月の利上げを支持する考えだと、英紙フィナンシャル・タイムズが8月12日に報じました。同紙とのインタビューで、経済データが求めるのであれば早ければ9月にも利上げを支持することにやぶさかではないと述べた模様。
・シカゴ連銀のグールズビー総裁は米誌ワイアードが8月11日に公開した動画で、米労働市場は安定しているとの認識を示すと同時に、物価の急上昇が米国が直面する最大の問題になっていると述べ、労働市場の弱さよりもインフレを強く懸念していることを示唆しました。
・アトランタ連銀のベナブル暫定総裁は8月11日にアトランタ連銀のウェブサイトに掲載された論考で、米インフレ率は依然高すぎるとの認識を示しております。
・クリーブランド連銀のハマック総裁は8月10日に米ヤフーファイナンスとのインタビューで、インフレ退治に向けて「一般的には、0.25%幅の1回利上げでは大きな効果をもたらさないだろう」との認識を示しました。具体的な回数には言及しなかったものの、複数回の利上げが必要との考えを示唆しております。
・リッチモンド連銀のバーキン総裁は8月7日に、オンラインの対談イベントで、足元の労働市場について「ある種の弱い均衡状態だ」との見方を示しました。7月米雇用統計について、緩んでも引き締まってもいないとして「これまでの労働市場の状況と一致している」と述べております。
◆ウォーシュFRB議長、インフレ高進なら9月の利上げ準備も
英紙フィナンシャル・タイムズは8月6日に、インフレ高進に歯止めが掛からなければ、ウォーシュFRB議長が9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げに踏み切る用意があると報じました。ウォーシュ氏の考え方に詳しい関係者の話としております。
◆トランプ米大統領、クックFRB理事解任を再検討
住宅ローン不正疑惑を巡り、トランプ米政権はクックFRB理事の解任に向けた手続きに着手した模様。米当局者が8月7日に、解任を進めるための書簡を5日付でクック氏に送付したことを明らかにしました。
書簡では、トランプ氏が住宅ローン申請について精査した結果、クック氏が「虚偽の書類を作成した可能性がある」と指摘。最初の解任通告を受けた昨年8月以降、疑惑に関する「弁明が一切なかった」と批判し、3週間以内に書面で説明するよう求めております。報道によると、クック氏の弁護士は声明で「解任の正当な理由はない」と政権を批判した模様。
連邦最高裁は6月に、トランプ米大統領によるクック氏の即時解任は無効と判断。ただ、トランプ氏は手続き上の不備に過ぎないとして、改めて解任する意向を示していました。秋に中間選挙を控える中、景気浮揚や株高を狙って利下げを望むトランプ氏は、金融引き締めに前向きな「タカ派」姿勢を強めるFRBに反発。あらゆる形で圧力を掛け続けており、金融政策の独立性が危ぶまれております。
◆トランプ米大統領、ウォーシュFRB議長と電話「1度だけ」
トランプ米大統領は8月10日に、ウォーシュFRB議長と頻繁に電話しているとの一部報道を否定。「彼と電話したのは、数日前に1度だけ。単なる会話に過ぎない」と述べております。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは8月5日に、利下げを強く要望するトランプ氏がウォーシュ氏に頻繁に電話を掛けていると報じていました。政策金利について議論したかどうかは不明。米国とイランの戦闘や人工知能(AI)ブームが経済に与える影響について助言を求めたとしております。
大統領がFRB議長に金融政策決定で影響力を行使しているとの印象を与えないよう、両者の接触は事前調整の上で公式に行うのが慣例。慣例が破られれば、金融政策の独立性に重大な疑義が生じる恐れがあります。
トランプ氏は、将来的な利下げに含みを残すウォーシュ氏について「100%支持する」と明言。ただ、複数のFRB高官が利上げに前向きな「タカ派」色を強める中、「政治的な理事会が金利を高く保とうとしている」と指摘。「彼1人で決められるなら話は別だが、彼には理事会がある」と述べております。
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