NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比2.1ドル安の1874.5ドルで終了となり、続落。1月米雇用統計を受けて急落。失業率が3.4%と1969年5月以来53年8ヶ月ぶり低水準、非農業部門就業者数も前月比51.7万人増となり、市場予想以上に強い内容であったことを受けて、FRBの早期利上げ停止観測が後退する中、「金利を生まない資産」である金を手放す動きが強まり、1月12日以来の1900ドル割れとなりました。その後も、パウエルFRB議長やウォラーFRB理事などFRB高官からタカ派な発言が相次ぐ中で、米長期金利が上昇。2月10日に1863.5ドルまで下げる場面も見られております。

市場でFRBの早期利上げ停止観測が後退する中、目先は2月14日に発表される1月米消費者物価指数(CPI)に注目が集まりそうです。

テクニカル的には、MACDがデッド・クロスを維持する中、戻り売りを浴び易い地合いが続きそうで、50日平均線を維持出来ない様だと、昨年11月3日の安値1618.3ドルから今年2月2日の高値1975.2ドルの上げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の38.2%押し水準1838.9ドル辺りまで下げることも想定されます。

ただ、何度か書いている様に、米独を中心とした西側諸国がウクライナに戦車供与を決定したことで、ロシアとの緊張の構図が一段と鮮明となり、米中対立も再燃し始めるなど「地政学リスク」が高まっております。米連邦政府の債務上限問題も長期化しそうな様相で、1800ドル台半ばでは「安全資産」として買い拾われそうです。

中国やトルコなどアジア諸国を中心に各国中央銀行が積極的に金準備を積み増す中、現物需要が金相場を下支えすると見られております。なお、中国は1月も金準備を14.9トン積み増しております。

なお、ロンドン貴金属市場協会(LBMA)が著名貴金属アナリストに対して行った調査によると、2023年金平均価格見通しは1859.92ドル(前年見通しは1801.90ドル)と予測されております。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は2月10日時点で前週末比0.55トン増加の920.79トンと、4週連続で増加。

また、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比2.65トン減少の450.49トンと、6週ぶりに減少に転じております。

 

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