NY金(中心限月、日足)

↓クリックすると拡大します↓

 

先週のNY金(中心限月)は、前週末比14.8ドル安の1969.0ドルで終了となり、5週ぶりに下落に転じました。投資家のリスクオフ姿勢が後退する中、3月27日に1945.0ドルまで下げる場面も見られたものの、安値は買い拾われております。米欧の金融システムを巡る信用不安が払拭されていないことや、金融機関が流動性を確保するために貸し出しに慎重になり、景気後退リスクが高まるとの見方から、安値は「安全資産」として買い拾う動きが見られた様です。

週末に発表された2月米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比5.0%上昇。伸び率は前月(5.3%上昇)から鈍化。エネルギーと食品を除くコア指数も4.6%上昇となり、前月(4.7%上昇)からやや鈍化した上に、「瞬間風速」を示す前月比も全体が0.3%上昇(前月は0.6%上昇)、コア指数は0.3%上昇(前月は0.5%上昇)と、共に前月から伸びが鈍化したため、FRBの利上げ局面が長期化するとの懸念が後退。「金利を生まない資産」である金を買う動きも見られたものの、その後、四半期末を控えてポジション整理の動きが強まった様で、上値の重い動きとなりました。

週末に米雇用統計の発表を控えていることや、米地銀破綻を発端とした、金融システムの動揺はひとまず落ち着きを取り戻していることから、今週も上値の重い展開が想定されます。一方で、3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)を受けて、米国の利上げ打ち止めが意識され始める中、米10年債の上昇は鈍化し始めており、押し目は買い拾われそうです。テクニカル的にもペナントを形成している様に見えることから、1950-2000ドルのレンジで揉み合いながら、3月20日の高値2014.9ドル超えを試すことが想定されます。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

↓クリックすると拡大します↓

 

最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は3月31日時点で前週末比4.05トン増加の928.02トンと、3週連続で増加。

また、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」も前週末比2.75トン増加の444.36トンと、同じく3週連続で増加しております。

 

※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心の注意を払っておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。