NY金(中心限月、日足)

↓クリックすると拡大します↓

 

先週のNY金(中心限月)は、前週末比37.3ドル安の1944.3ドルで終了。3週連続で下落となりました。

FRB高官からタカ派な発言が相次ぐ中、FRBによる追加利上げ観測が再燃。米長期金利の上昇を受けて、「金利を生まない資産」である金を手放す動きが強まる中、5月25日に一時1939.0ドルまで下げるなど、3月22日以来の1950ドル割れとなり、翌26日に一時1936.0ドルまで下げる場面も見られております。

バイデン米大統領と野党共和党のマッカーシー下院議長が、連邦政府の借入限度額である「債務上限」を引き上げることで原則合意。議会で承認されるまでは予断が許さない状況が続きそうですが、市場の重しとなっていた米国債のデフォルト(債務不履行)の恐れが大きく後退。投資家のリスクオフ姿勢が和らいでおります。

また、4月米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比4.4%上昇。伸び率は前月(4.2%上昇)を上回り、3ヶ月ぶりに伸びが加速。コアベースでも4.7%上昇と、根強いインフレ圧力を示す内容を受けて、6月ないし7月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で追加利上げを行い、FRBの金融引き締めが長期化するとの見方が再燃し始めていることも、金の上値を抑えそうです。

CMEが公表している米金利先物の値動きからFOMCごとの政策金利を予想する「FedWatch(フェドウォッチ)」(5月26日時点)によると、6月のFOMCでFRBが0.25%の利上げを行うとの見方は65.3%(先週末は17.4%)まで上昇しております(据え置き見通しは34.7%、先週末は82.6%)。

そのため、1950ドル台を回復出来ずに、100日平均線を維持出来ない様だと、2月28日の安値1810.8ドルから5月4日の高値2085.4ドルの上げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の61.8%押し水準1915.7ドル辺りまで下げることも想定されます。ただ、高値で買い控えていた実需の買いが価格を下支えしそうです。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

↓クリックすると拡大します↓

 

最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は5月26日時点で前週末比1.45トン減少の941.29トンと、5週ぶりに減少に転じました。

一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.12トン増加の455.70トンと、3週連続で増加しております。

 

※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心の注意を払っておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。