NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比25.3ドル高の1969.6ドルで終了。4週ぶりに反発に転じました。米連邦政府の借入限度額である「債務上限」問題を巡り、バイデン米大統領とマッカーシー下院議長(野党共和党)が現行の債務上限適用を一時停止する措置を含む最終合意に達したことを受けて、デフォルト(債務不履行)回避への楽観的な見方が浮上。5月30日に1931.0ドルまで下げる場面も見られたものの、終値で100日平均線を維持したことから、突っ込み売り警戒感が台頭。安値は買い拾われております。その後も、米長期金利の低下に加えて、FRBのジェファーソン理事とフィラデルフィア連銀のハーカー総裁が6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げ見送りを示唆する発言をしたことから急伸。6月1日に一時2000.7ドルを付けるなど、5月16日以来の2000ドル台にタッチするも、50日平均線がレジスタンスとして意識される中、終値で2000ドル台を回復することは出来ず。

5月米雇用統計で、非農業部門就業者数は前月比33.9万人増となり、伸びは前月(改定値、29.4万人増)から拡大。市場予想(19.0万人増)も大きく上回ったため、米長期金利が上昇。「金利を生まない資産」である金は売られる展開となり、6月2日に一時1963.7ドルまで下げる場面も見られております。

CMEが公表している米金利先物の値動きからFOMCごとの政策金利を予想する「FedWatch(フェドウォッチ)」(6月2日時点)によると、6月のFOMCでFRBが0.25%の利上げを行うとの見方は25.3%(先週末は64.2%)、据え置きは74.7%(先週末は35.8%)と、据え置きとの見方が多くなっております。

ただ、7月のFOMCでFRBが0.25%の利上げを行うとの見方は53.5%(先週末は52.2%)、据え置きは32.1%(先週末は20.7%)と、仮に6月は金利が据え置かれても、7月に0.25%の利上げを行うと見る向きは依然多い様です。

そのため、仮に2000ドル台を回復しても、上値の重い展開が続くことが想定されます。また、スイス連邦統計局の統計によると、インドやトルコなど主要需要国の金輸入量が大幅に減少するなど、実需の買い控えの動きも出始めている模様。しばらくは100日平均線と50日平均線のレンジが想定されます。MACDがゴールデン・クロスとなる様だと、底打ち感が強まりそうです。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は6月2日時点で前週末比3.19トン減少の938.11トンと、2週連続で減少しております。

また、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比1.25トン減少の454.45トンと、4週ぶりに減少に転じております。

 

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