NY白金(日足)
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NY白金(中心限月)は、前週比25.5ドル安の987.3ドルで終了となり、反落。6月7日から14日まで6営業日続落となるなど、今週も軟調な地合いが継続。6月12日に1000ドル、翌13日に200日平均線を割り込む中、6月15日に一時965.5ドルまで下げる場面も見られております。
ただ、世界最大の白金生産国である南アフリカからの供給懸念が意識される中、突っ込み売り警戒感が台頭。売り方のショートカバー(買い戻し)を中心に買い拾われる中で反発。6月16日に一時1002.6ドルを付けて、1000ドル台を回復する場面も見られたものの、200日平均線がレジスタンスとして意識された様で、終値で1000ドル台を回復することは出来ずとなっております。
とは言え、経常収支での改善を受けて、南アフリカの通貨ランドが対ドルで上昇していることや、中国政府による本格的な景気下支えへの期待感が価格の下支えとなりそうです。
なお、先週発表された主要経済指標も冴えない内容となり、中国人民銀行(中央銀行)は6月15日に、市中銀行向けに1年間の短期資金を融通する場合の金利である中期貸出制度(MLF)1年物の金利を引き下げております。この金利は、事実上の政策金利である最優遇貸出金利(LPR)を計算する基礎となっており、LPRの引き下げ観測が強まっております。
目先は、1000ドル台を回復しつつ、4月21日の高値1148.9ドルから6月15日の安値965.5ドルの下げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の38.2%戻し水準1035.6ドルを上抜くことが出来るか注目されます。ただ、金との相関性が強い中、金相場は上値の重い展開が続きそうなことから、100日平均線辺りでは戻り売りを浴びることが想定されます。
また、増加を主導していた南アフリカの残高が減少し始めており、世界の白金ETFの白金保有残高は増加傾向に一服感が出始めています。このことも、上値を重くする可能性がありそうです。
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