NY金(中心限月、日足)
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先週のNY金(中心限月)は、前週末比6.0ドル安の1971.2ドルで終了。3週ぶりに下落となりました。
FOMC(米連邦公開市場委員会)で、FRBは市場の想定通りに11会合ぶりに政策金利を据え置いたものの、「追加利上げはあと1回」との見方が市場で多数派を占める中、3ヶ月ごとに公表されるFOMCメンバー18人の経済・金利見通し(SEP)で、2023年末のFF金利見通し中央値は年5.50~5.75%と、年内に通常の0.25%幅であと2回利上げするシナリオとなったことから、6月15日に1936.1ドルまで下げる場面も見られております。
ただ、声明公表後の記者会見で、パウエル議長が「7月のFOMCについて、当局者らは何ら決定していない」とし、今後の状況次第で常に変化する「ライブ会合」になると述べ、7月の利上げ実施を強く示唆しなかったことから、買い拾われております。
また、インフレ鈍化の動きが見え始める中、残り2回の利上げ実施に市場で懐疑的な見方が多いことも意識された模様。また、ドッド・チャートを詳しく見てみると、12人が年内に0.50%以上の追加利上げを予想しているものの、0.25%の利上げ予想は4人、年内据え置きの予想は2人おり、計6人はあと1回の利上げもしくは現状維持を見込んでおります。追加利上げの必要性を巡り、FRB内で意見の相違や迷いが生じていることが窺え、利上げを見送りつつタカ派姿勢を演出した妥協案との見方もある様です。
テクニカル的には100日平均線と50日平均線のどちらを抜けるかが焦点となりそうですが、MACDは揉み合いを示唆しており、もうしばらく現在のレンジで推移しそうです。
今週は6月22日に予定されているパウエルFRB議長の議会証言が注目されます。イベントを通過して、今週はFRB高官の発言に左右され易い相場となりそうですが、先週末にリッチモンド連銀のバーキン総裁は、インフレ低下の確信が得られなければ、一段の利上げを支持すると明言。ウォラーFRB理事は、「一部銀行の不十分な経営への懸念から、金融政策スタンスを変更することを支持しない」と述べております。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は6月16日時点で前週末比2.26トン増加の934.03トンと、4週ぶりに増加に転じております。
一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比1.12トン減少の452.86トンと、3週連続で減少。
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