NY金(中心限月、日足)

↓クリックすると拡大します↓

 

先週のNY金(中心限月)は、前週末比31.9ドル高の1964.4ドルで終了。2週連続で上昇しております。

FRBの利上げサイクルが終わりに近づいているとの見方からドル安が進行し、反発場面が続く中、7月11日に6月16日以来の1950ドル台を回復。7月13日には一時1968.5ドルを付ける場面も見られております。

6月米雇用統計で、景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数は前月比20.9万人増と、前月(改定値、30.6万人増)から伸びが鈍化。市場予想(22.5万人増)も下回ったことから、FOMC(米連邦公開市場委員会)のメンバーの大多数が支持する「年内2回の利上げ」に対して、懐疑的な見方が浮上。その後、7月12日に発表された6月消費者物価指数(CPI)は、前年同月比3.0%上昇と、伸びは12ヶ月連続で鈍化し、2年3ヶ月ぶりに4%を割り込んだことから、7月のFOMCで利上げは打ち止めになるとの見方が拡がっております。

なお、CMEが公表している米金利先物の値動きからFOMCごとの政策金利を予想する「FedWatch(フェドウォッチ)」(7月17日時点)によると、7月のFOMCでFRBが0.25%の利上げを行うとの見方は97.3%、据え置きは2.7%となっております。

また、9月のFOMCで政策金利が5.00%-5.25%と見る向きは2.3%、5.25%-5.50%と見る向きは86.0%、5.50%-5.75%と見る向きは11.7%となっており、7月に次いで9月も利上げが行われるとの見方は後退しつつある様です。

FOMCを控えて、FRB当局者が発言を控える「ブラックアウト期間」に入っており、揉み合いが続く可能性もありそうだが、目先は切り下がって来ている50日平均線を上抜くことが出来るかが焦点となりそうです。上抜く様ですと、5月4日の高値2085.4ドルから6月29日の安値1900.6ドルの下げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の38.2%戻し水準1971.2ドル、次いで半値戻し水準1993.0ドルや2000ドルを意識した動きになって行きそうです。

一方で、50日平均線でレジスタンスを受ける様ですと、再度1900ドル台前半まで下げて来そうですが、引き続き中銀をはじめとした実需の買いが価格を下支えるとみられております。

なお、ロイター通信によると、新興5ヶ国(BRICS)は金を裏付けとした新たな決済通貨の導入を検討している模様。8月に開催されるBRICS首脳会議で協議されるとしております。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

↓クリックすると拡大します↓

 

最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は7月14日時点で前週末比0.59トン減少の914.67トと、4週連続で減少しております。

また、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」も前週末比1.12トン減少の445.25トンと、7週連続で減少しております。

 

※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心の注意を払っておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。