米国の政策金利
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FRBは7月25、26日の両日にFOMC(米連邦公開市場委員会)を開催。短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%引き上げました。決定は全会一致。6月の前回会合では、11会合ぶりに金利を据え置きましたが、その後も米景気や雇用情勢は堅調に推移。根強いインフレ圧力の緩和を図るため、利上げ再開に踏み切っております。政策金利は年5.25~5.50%と、2001年3月以来約22年ぶり高水準となっております。
FRBは声明で、景気が「緩やかに拡大している」とし、前回会合の「わずかな拡大」から景況判断を上方修正。また、追加の金融引き締めについては、これまでの累積した利上げ効果や影響が経済に広がるまでの時間差を考慮するという前回会合までの表現を踏襲。その上で、「追加の情報や、それが金融政策に与える示唆について検証を続ける」としております。
声明公表後の記者会見で、パウエル議長は今後の政策について経済指標を踏まえ「会合ごとに決める」と明言。9月の次回会合では「指標が妥当なら再び利上げするが、据え置きを選択する可能性もある」と述べました。また、FRBのスタッフが前回会合まで続けてきた2023年後半からの景気後退の予想を撤回したと明らかにし、経済の軟着陸(ソフトランディング)に自信を示しております。
労働市場は6月米失業率が3.6%に改善するなど、堅調さを維持。昨年半ばに約40年ぶり高水準を記録した米インフレ率はエネルギー価格の下落などを背景に低下を続けており、6月米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.0%上昇と、2年3ヶ月ぶり低水準まで鈍化。一方で、人手不足による賃金上昇が、サービス分野の価格を押し上げております。ロシアがウクライナ産穀物輸出合意の履行を停止したことで、穀物価格や原油価格が再び上昇する気配もある中、パウエル氏は「インフレ率を2%に戻すには、まだ長い道のりがある」と指摘。物価指標が何度も予想を上回ってきた経緯に触れ、市場の楽観論を牽制しております。
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