OECD加盟国の原油在庫

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◆IEA

国際エネルギー機関(IEA)は、9月13日に月報を公表。サウジアラビアとロシアが原油供給の自主削減を年末まで延長したことを受けて、石油市場では年内いっぱい、大幅な供給不足が続くとの見通しを示しました。「OPECプラス」は年初から日量250万バレル超の減産を続けていますが、米国やブラジル、イランなどの供給拡大で相殺されてきたと指摘。その上で「9月以降、第4四半期一杯は、OPECプラスの生産削減により、大幅な供給不足に陥る」との見通しを示しました。

一方で、来年初めに減産がなければ、バランスは供給過剰にシフトすると予想。在庫は異常な低水準に落ち込み、ボラティリティーが再び急上昇する恐れがあると警告しております。

中国については、「これまでのところ、経済減速の影響を驚くほど受けていない」と分析。「中国は重要なワイルドカードだ」とした上で、「中国の生産活動や石油需要が一気に弱まれば、その影響は世界的に波及し、アジア、アフリカ、中南米の新興市場に一段と厳しい環境をもたらす公算が大きい」と懸念を示しております。

◆EIA

米エネルギー情報局(EIA)は、9月12日に、短期エネルギー見通し(STEO)を公表。2023年世界原油生産量を前年比日量124万バレル増の日量1億0118万バレルと予測。前月見通し(日量1億0130万バレル)から日量12万バレル下方修正しました。2024年は前年比日量170万バレル増の日量1億0288万バレルと予測(前月見通しは日量1億0300万バレル)。

2023年世界石油消費量は前年比日量181万バレル増の日量1億0097万バレルと予測。前月見通し(日量1億0119万バレル)から日量22万バレル下方修正しております。2024年は前年比日量136万バレル増の日量1億0233万バレルと予測(前月見通しは日量1億0280万バレル)。

なお、EIAは今年10-12月期の世界原油在庫は日量20万バレル減少するとの見通しを示しました。サウジアラビアが日量100万バレルの自主減産を、年末まで延長すると発表したことが理由。世界の原油在庫が減少すれば、ブレント原油平均価格は10-12月期に93ドルになると予測した一方で、在庫が増加すれば、2024年下半期までに平均価格は87ドルまで下落するとしております。なお、EIAのデカロリス長官は、「原油高と不透明な経済状況により、世界の石油製品に対する需要は、2024年まで減少する可能性がある」と指摘しました。

◆OPEC

石油輸出国機構(OPEC)は9月12日に月報を公表。2023年世界石油需要は前年比日量244万バレル増の日量1億0206万バレルと予測。前月見通しから日量5万バレル上方修正しました。

世界2位のエネルギー需要国である中国の需要量を日量1582万バレルとし、前月見通しから日量5万バレル引き上げたことが要因。2024年は前年比日量225万バレル増の日量1億0431万バレルとし、前月見通しから日量1万バレル上方修正しております。

なお、OPECは「特に観光と航空旅行の回復、堅調な自動車移動を踏まえると、現在の世界的な経済成長が石油需要をけん引すると予想される」とし、「2023年の世界石油需要はコロナ禍前の水準を超える」との見方を示しております。

 

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