NY金(中心限月、日足)
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先週のNY金(中心限月)は、前週末比47.0ドル高の1984.7ドルで終了となり、反発。
11月9日に講演したパウエルFRB議長が、追加利上げが適切ならば「我々はためらわない」と発言したことや、30年物米国債の入札が低調だったことを受けて、米長期金利が上昇する中、11月13日に1935.6ドルまで下げる場面も見られております。ただ、50日平均線でサポートされる中、米消費者物価指数(CPI)や米卸売物価指数(PPI)がインフレ鈍化を示唆する内容になったこと受けて、FRBによる利上げサイクルが終了に向かうとの見方が拡がる中、米長期金利が低下。金利を生まない資産である金の投資妙味が高まり、11月17日に一時1996.4ドルまで買い進められるも、2000ドルには届かず。
なお、10月米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.2%上昇と、伸び率は前月(3.7%上昇)から鈍化し、市場予想(3.3%上昇)も下回りました。エネルギー・食品を除いたコアベースでも前年同月比4.0%上昇と、前月と変わらずとなっていた市場予想(4.1%上昇)を下回っております。
CMEが公表している米金利先物の値動きからFOMCごとの政策金利を予想する「FedWatch(フェドウォッチ)」(11月17日時点)によると、12月のFOMCでFRBが金利を据え置くとの見方は100%となっております。
利下げの時期に関しては、2024年1月は0%、同3月は30.0%、同5月は63.8%、同6月は83.6%となっており、来年半ばにFRBが利下げに踏み切るとの見方が多くなっている様です。
週末に感謝祭を控えて、今週は市場参加者が少なくなりそうですが、市場で拡がる利下げ観測に加えて、テクニカル的にMACDがゴールデン・クロスとなる様ですと、2000ドル超えを試す動きが強まりそうです。とは言え、市場の過熱感を抑えるため、FRB高官から過度な利下げ期待を牽制する発言が相次いでおり、2000ドル辺りでは上値が重くなることが想定されます。なお、今週は11月21日にFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨(10月31日、11月1日開催分)が公表されます。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は11月17日時点で前週末比15.28トン増加の883.43トンと、3週連続で増加しております。
一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比3.09トン減少の398.07トンと、16週連続で減少。11月17日に、2020年4月13日以来の400トン割れとなっております。
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