NY白金(日足)

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先週のNY白金(中心限月)は、前週比35.2ドル高の936.9ドルで終了となり、2週連続で上昇しております。11月10日に一時843.1ドルまで下げるなど、終値ベースでは昨年9月27日(846.9ドル)以来の850ドル割れとなったものの、その後急反発。同じ白金族であるパラジウムの下落が止まったことや相関性の高い金の反発に加えて、他の貴金属から見た相対的な割安感から買い拾われた様です。11月15日に7営業日ぶりに900ドル台を回復。その後も堅調な値動きを見せる中、11月20日に50日平均線を突破したことで急伸。100日平均線も上抜く中、11月22日に一時949.1ドルを付ける場面も見られております。

なお、白金業界団体「ワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)」が最新の需給レポートを公表。2024年の白金需給は11.0トンの供給不足と、2年連続で供給不足となると予測しました。2023年は33.3トンの供給不足になるとし、9月時点の見通し(31.3トンの供給不足)から供給不足幅を引き上げております。

2024年の供給量は前年から増加する見込みであるものの、白金価格の低迷を受けて、大幅な増加は難しいと見られております。一方で、自動車触媒需要は8年ぶり高水準となる見込み。ガソリン車向けでパラジウムから白金へシフトする動きが続き、代替需要が22トン程度増えると予測されております。

急ピッチな上昇に対する警戒感に加えて、相関性の強い金相場は2000ドル付近では上値が重く、そろそろ戻り一杯との見方も出始めておりますが、100日平均線をサポートに、終値ベースでは9月1日以来となる950ドル台を回復しつつ、200日平均線超えを試す動きとなるか注目されます。また、需要の動向を見る上で、11月30日に発表される11月中国PMIに注目が集まりそうです。

なお、10月の中国白金輸入量は15.92トンと、昨年7月(15.94トン)以来の高水準となりました。3ヶ月連続の10トン超えは、少なくとも2009年以降で初めて。何度か書いている様に、900ドル付近では中国の白金輸入量が増える傾向があり、今後も価格の下支えとなると見られております。

 

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