米ドル・円
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米ドル・円は、ここまでサポート・ラインとして意識されて来た90日平均線を維持出来ず、昨晩のNY市場で一時146.66円まで円高が進む場面も見られております。
FRBのウォラー理事が11月28日の講演で、経済を減速させ物価をインフレ目標の水準まで引き下げるのに現在の金融政策が「適切な状態にあるとの確信を深めつつある」との見方を示した上で、インフレ率が一段と低下すれば、「利下げを始められる」と発言をしたことを受けて、米長期金利が4.2%台前半まで低下。約2ヶ月ぶり低水準を付けたことを受けて、日米金利差拡大期待が後退。円が買い戻された様です。
ただ、米商務省が発表した2023年7-9月期米実質GDP(国内総生産)改定値が、季節調整済み年率換算で前期比5.2%増と、速報値(4.9%増)から上方修正された上に、市場予想(5.0%増)も上回ったことから、ドルが買い拾われて、147円台に戻しております。
ただ、個人消費が3.6%増と、速報値(4.0%増)から下方修正された上に、FRBがベージュブック(全米12地区連銀景況報告)で、米経済活動が前回10月の報告時点から「減速した」と総括したことから、積極的にドルを買う動きとはなっていない模様。
今後の金融政策動向を巡るFRB高官の発言にばらつきがある中、市場はパウエルFRB議長の講演や10月米個人消費支出(PCE)物価指数などの発表待ちで、様子見ムードが拡がっております。
ただ、このまま90日平均線を上回れない様ですと、MACDは下げ基調を強めているだけに、146円台前半で推移している120日平均線や7月14日の137.23円から11月13日の151.91円の上げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の38.2%押し水準146.30円割れを試すことも想定されます。
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