米雇用統計
↓クリックすると拡大します↓
米労働省が1月5日に発表した昨年12月米雇用統計(季節調整済み)によると、失業率は3.7%と、前月(3.7%)と変わらずでした(市場予想は3.8%)。景気動向を敏感に反映する非農業部門就業者数は前月比21.6万人増と、前月(改定値、17.3万人増)から拡大し、市場予想(17.0万人増)も上回っております。ただ、11月分に加えて、10月分も10.5万人増に下方修正され、10月と11月合計で7.1万人下方修正されております。3ヶ月平均では16.5万人増と、2021年1月以来の低い伸びとなり、雇用の増勢が緩やかになっていることが示唆されました。
米賃金とインフレ率
↓クリックすると拡大します↓
インフレに影響する平均時給は前年同月比4.1%上昇。伸びは前月(4.0%上昇)から小幅に加速。前月比では0.4%上昇と、伸びは前月(0.4%上昇)と変わらずでした。なお、アトランタ連銀が算出する「賃金トラッカー」は、昨年11月は5.2%と、前月(5.2%)と変わらず。
イエレン米財務長官は米CNNテレビとのインタビューで同日、就業者数の伸びが前月から拡大した雇用統計を踏まえ、成長維持とインフレ抑制が両立する景気の「軟着陸」が実現することに自信を示しております。米経済の過度な人手不足は緩和に向かいつつあるものの、雇用は一定の強さを維持しており、失業率を急上昇させずにインフレを落ち着かせる軟着陸(ソフトランディング)実現に向けて、インフレ圧力が早期に落ち着くか注目されます。
米国のインフレ率は低下傾向にあり、FRBが重視している昨年11月米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比2.6%上昇と、FRBが物価安定の目標とする2%に近づいております。ただ、供給不足の改善によるモノの値下がりがインフレ低下を主導しているものの、賃金が大きく反映されるサービス価格の伸びは高いままで、モノの価格が上昇に転じればインフレは再燃しかねない情勢。
米求人件数
↓クリックすると拡大します↓
なお、米労働省が1月3日に発表した昨年11月米雇用動態調査(JOLTS)によると、非農業部門求人件数(季節調整済み、速報値)は879.0件と、前月(885.2万件)から6.2万件減少。3ヶ月連続で減少となり、前月に引きつづき2021年3月(839.9万件)以来の低水準となっております。
最後に、CMEが公表している米金利先物の値動きからFOMCごとの政策金利を予想する「FedWatch(フェドウォッチ)」(1月8日時点)によると、市場では依然として年6回の利下げを予想しております。
利下げ開始の時期については、1月のFOMCでFRBが0.25%の利下げを行うとの見方は4.7%(先週末は12.4%)、3月は58.0%(同68.1%)、5月は90.0%(同95.2%)、6月は99.6%(同99.5%)と、3月開始との見方は変わらず。ただ、昨年12月には9割近く織り込まれていたものの、現在は6割強に低下しております。
FedWatch
↓クリックすると拡大します↓
※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心の注意を払っておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。